スカイブルーPeace

3,凛華の闇

Side:浩暉
終礼が終わってすぐに凛華は帰っていった。あいつ帰んの早いな。
「なぁ咲良,凛華って部活とか何にもやってねぇの?」
「やってないよ、まぁやってないよりも“出来ない“の方が正しいかも知れないけど」
「え……」
「じゃ、私部活あるから」
咲良がちょくちょく凛華についてこうやって聞くと教えてくれるけどそれでもどんどん謎は深まっっていくばかり。
あいつはあの小さい背中で何を抱え込んでんだ?
しばらく一人で色々考えているといきなり誰かが俺に話しかけてきた
「お前って神楽小学校にいた浩暉?」
そう言われて声のした方を見てみると見覚えのある懐かしい顔があった
「琥太郎(コタロウ)?」
「おう!やっぱり浩暉か!久しぶりだな!」
琥太郎というのは小学5年の時になかよくなった友達だ。
中学は別々であんまり話すことがなくなったけど俺が今までで一番信用している大親友だ。
「会わないうちにカッコよくなってて全然わかんなかったわ」
確かに中学の頃はほとんどあったりはしてないけど,そんなに変わってないだろ
「そうか?まぁサンキューな」
「あ、俺の友達紹介するよ」
琥太郎の友達?
「あぁ」
「右にいるのが神田深月。左が上杉日向だ」
「よろよろ〜」
「よろしくな」
よろよろ〜って言ってる茶髪男が深月,よろしくなって言ってる金髪の方が日向か。
「俺は喜多村浩暉。よろしく」
「なぁお前って凛華ちゃんと同じ小学校だったの?」
こいつ凛華ちゃんって呼ぶって仲でもいいのか?
「そうだけど深月って凛華と仲良いいのか?」
「いや,こいつ女好きなだけ。ちなみに日向はくるもの拒まずタイプのやつ」
あぁ女好き,なるほどな。
「てかお前咲良ちゃんとも仲良さげに話してたよな」
「あぁ、咲良も同じ小学校だったしな」
「あ、そっか。来栖さんと御月さん小学校から同じって言ってたもんね」
日向って陽キャって感じの見た目だけど呼び方とかそういうのはちゃんとしてんだな
「それでさ俺らって言っても俺と日向だけだけど、二人でゲームしてんだよ」
「ゲーム?」
「そう、俺と日向、どっちが先に凛華ちゃんを落として付き合うことができるかっていうゲーム」
「…………は?」
こいつ何言ってんの?凛華を落とせるかでゲーム?意味分かんねぇ
「それでさ、そこに浩暉も参加しろよ!」
「は?なんで」
「浩暉ならもしかしたら凛華ちゃん落とせるかも知んないだろ?それにあんなにいい物件はそうそうないと思うぜ」
「…………」
「浩暉……」
凛華がいい物件?確かに顔はいいし運動神経もいい。凛華のことだから成績もすごくいいだろう。
だからって凛華でゲームしてんのか?性格悪すぎねぇか?
てか日向と深月だけでゲームしてるってことは琥太郎は参加してないのか。
それに俺が小学校の時から凛華のことを好きだったのを知ってるから今も心配そうな眼差しで俺をみてるんだろうし
でも、こいつらを凛華が好きになったとしたら……
それにここで断ったらせっかく友達ができるチャンスなのにまた空気が読めないやつって言っていじめられるかもしれない……
それは嫌だ、だったら俺も参加するしか……
「わかった、やる」
「浩暉!?」
「琥太郎、俺は大丈夫だ」
そう言って琥太郎に微笑むと琥太郎は心配そうな顔のまま頷いた。

なんで俺はこんな選択しちゃったんだろうな……
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