スカイブルーPeace
琥太郎たちと別れて家に帰るともう6時前になっていた。
流石に話しすぎたか……
「あ、浩暉おかえり」
「あぁただいま」
この赤髪ポニテ女は俺の姉貴の海渚(みお)。俺よりも五つ年上で今大学に通っている。
前までよく彼氏と出かけたりしてたけど彼氏に浮気されて今はフリーらしい。
リビングに行くと珍しく父さんと母さんで料理していた。
この二人は今でも仲が良くてこっちが恥ずかしくなるくらいだ。
「あら浩暉お帰りなさい」
「おかえり」
「ただいま」
「帰ってきてすぐで悪いんだけど少し頼まれてくれる?」
「は?やだよ」
「そんなこと言わないでちょっとくらい頼まれたらー?」
はぁ姉貴まで……
「わかったよ、で何すればいいわけ?」
「えっとね…………」

ピンポーン

「はーい」
俺は今咲良の家に来ている。
母さんが買い物してる時に咲良の母親に会ったらしく、そのまま流れで家にあげたらしい。
その後咲良の母親が帰って部屋を掃除していたら忘れ物を見つけたらしく、届けに来させられているってわけだ。
住所だけ渡されてきたけどここ小学校から変わってないんだな。それに凛華の家も結構近い。
行ってる途中で雨が降ってきたけど近くのコンビニで傘買えたからギリそんなに濡れなくて済んだ。

ガチャ
「あ、喜多村くんじゃんどうしたの?」
「お前の母さんが家に忘れ物したっぽくて届けにきた」
「あーありがと。渡しとくね」
「おう、てか喜多村じゃなくて浩暉でいい、小学校んときもそうだったじゃん」
「あー……わかった。」
「じゃ、俺帰るな」
「うん、あ!ちょっと待って!連絡先交換しよ!」
「え?あぁ別にいいけど」

「よし!オッケー!私のいないところで凛華に何かあったりしたら絶対に教えてね!」
「え?あぁわかった。じゃーな」
「うん!また明日ねー届けてくれてありがとー」

咲良は異常なくらい凛華をすごく心配している。
それがなんでなのか分からない、でもあいつは
なんだか放って置けない、そんな気がする
雨が強くなったのを感じて歩くスピードを少し早めてしばらく歩いていると微かに震えている女がいた。
傘も何もさしていない。
それにあの後ろ姿は…………
「凛華!!!」
俺がそう呼んだのと同時に彼女は力尽きたように倒れた。
急いで駆けつけたから地面に倒れはしなかったけど、一体何があったんだ?
この女は凛華だ。触れてみると今日見た時よりも細く少し力を入れすぎたら壊してしまいそうな気がした。
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