スカイブルーPeace
「浩暉、ちょっと……」
咲良との会話がちょうど終わったタイミングですごく真剣な顔をした母さんが俺を呼んだ。
何かあった。それは母さんの顔と声でわかった。
「お父さんと海渚も……」
凛華の体に何かあったのか?
なんだかすごく嫌な予感がする……
「ねぇ浩暉、凛華ちゃんって学校でいじめられたりしてるの?」
「え?」
「あのね、体を拭いて着替えさせる時に見ちゃったんだけど……」
「お母さん、後は僕が……実はね、凛華くん、体に何箇所もカッターか何かで切られた痕があったんだ。手当はしていたけど、すごく痛々しい傷だった。傷から考えるにきっと最近できたものだと思う……それ以外にもいくつも打撲やあざもあった。普通はこんなに傷がくことはないと思う。足も捻挫していた……それもかなり悪化していて凄く腫れている、それ以外にもかなり前にできたような傷もいくつかあった。顔も殴られた痕があったんだ。」
そんなに傷ついていたのか……一体誰が凛華にこんなこと……
俺は凛華と離れてる間に凛華に何があったのか何も知らない……
誰か……凛華のことをよく知ってるやつ…………………っ!!咲良、咲良なら何か知ってるかもしれない
「俺は凛華に何があったのかわかんない……でも、もしかしたら……いや咲良なら知ってると思う」
「確かに咲良ちゃんならずっと凛華ちゃんと仲良いみたいだし何か知ってるかもしれないわね」
「聞いてみる」
[咲良]
流石に弟んお世話で忙しいか……飯食べてる可能性もあるしな
[どうしたのー?なんかあった?]
[ちょっと電話できるか?]
[うん、できるけど……]
[おけ、じゃーかけるわ]

『もしもしー?』
「あぁ」
『どうしたの?凛華に何かあった?』
「あ!咲良ちゃんってあの子か!よく凛華と一緒にいたピンクの可愛いこ!」
『あ、お姉さん。お久しぶりです』
「姉貴はちょっと黙ってろ」
「はぁ?」
「悪い咲良、少し聞きたいことがあって……」
『なに?答えられる範囲なら答えるけど』
「あぁ頼む」
「咲良くん、凛華くんは学校でいじめられたりしてるのか?」
『いえ、学校でいじめなどは受けていないと思います。距離は置かれていて誰も話しかけたりはしませんけど、関わろうとしていないのでいじめなどはありません。凛華も終礼が終わるとすぐに帰っていましたし、学校にいても基本どこかで一人でずっと寝ているので』
じゃあ凛華の傷は一体なんなんだ?
それに凛華何かに怯えながらずっと謝ってた……
「なぁ咲良、凛華は誰に縛られてるんだ?俺が家に連れてくるまで何回も苦しそうに震えながら謝ってた……
 咲良、教えてくれ……凛華に何があったんだ?」
『…………ごめん、それは私の口からは言えない……でもきっと浩暉たちなら凛華は教えてくれると思う。
 あんまり役に立てなくてごめんね』
「いや、やっぱり本人に直接聞いてみる。色々大変なのにサンキューな」
『ううん全然。浩暉、凛華を、凛華をよろしくね!浩暉のお父さんたちも、よろしくお願いします!』
「「「もちろん」」」
「じゃーな」
『うん!またね』
やっぱり凛華に直接聞くしかないんだよな……
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