スカイブルーPeace
「時間もあれだし一旦夕食食べましょうか」


「浩暉ー、凛華ちゃんの様子見に行ってもらえる?」
「あぁ」

「凛華ー、起きてるか?」
念の為ドアをノックしてドアを開けると苦しそうにうなされている凛華がいた。
汗もすごくかいている……
「凛華……凛華!落ち着け、大丈夫か?」
「っ……!?」
俺の声で目が覚めたのか凛華の目がゆっくりと開いた。
するとそれと同時に凛華の瞳から一粒の涙が溢れた。
気がつくと俺は無意識に凛華の涙を拭き取ってしまっていた。
「っ!喜多村!?ぃっ」
「あぁいきなり起きるなって、ちょっと待ってな、今父さん呼んでくる」
起きていきなり転校してきたクラスメイトの顔があったらそりゃ驚くか、後でちゃんと説明しないとな。
というかその前に父さんに隣家が起きたって報告しねぇと
そう言って部屋を出ようとすると「待って!」まだ少し震えている凛華の手に出ることを止められた。
「ぁ、ごめん気にするな……」
「……いや、もう少しここにいるよ」
「え……」
「別に今すぐに呼ばないといけなわけじゃねぇしな」
「そうか……あ、ありがとう……」
俺がこの部屋を出ようとした時の凛華の不安そうに揺れる瞳みちゃ一人にさせらんないよな。
もう少し、ここにいるか……

Side:凛華
「か……り…か……凛華!落ち着け、大丈夫か?」
「っ……!?」
誰かに呼ばれて目を覚ましまた
またあの夢見ちゃった……夢を思い出して涙が零れた時、急に誰かが私の涙を拭いた。
その手の先を見ると
「っ!喜多村!?ぃっ」
その手は喜多村のものだった、驚いて起き上がろうとしたけど全身が痛くて上手く動けない
「あぁいきなり起きるなって、ちょっと待ってな、今父さん呼んでくる」
喜多村は私の様子を見て部屋をお父さんを呼びに部屋を出ようとした。そのお父さんが喜多村のお父さんってことはわかってる。でもお父さんという単語につい反応してしまった。そして無意識に「待って!」そう言って喜多村の手を掴んでいた。
喜多村が驚いた顔で私を見て我に返った。
「ぁ、ごめん気にするな」
こんなの強がりだ、ただ1人になりたくなかっただけ。
1人になるとお母さんが出ていった時のことを思い出して悲しく、辛くなるから。でもいつも1人で耐えてきた。今も1人でも、平気だ…………
「……いや、もう少しここにいるよ」
「え……」
なんで、お父さん呼びに行かないと行けないんじゃないのか?
「別に今すぐに呼ばないといけなわけじゃねぇしな」
すると喜多村は私が考えてることがわかってるかのようにそう言ってニコリと優しく微笑んだ。
あぁこの笑顔、いいな……優しくて、怖くない……
「そうか……あ、ありがとう……」
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