スカイブルーPeace
「そして今日も門限にぎりぎり間に合わなかったんです」
「え、でも今日終礼終わったらすぐ帰ってなかったか?」
「うん、すぐに学校からでた。」
「じゃあなんで……」
「学校を出た後、私は気に入ってる作者さんの新しい本を買いに行ったんだ。まだ時間に余裕があったから。その図書館は学校から出て少し先にあるところで家までだいたい三十五分から四十分くらいするところにある。欲しい本を見つけて買うと門限まであと四十五分でした。だから急いで帰ろうと思ったんです。だけど急いで歩いてからだいたい十分くらいたったとき信号のない横断歩道を渡って引かれそうになってる女の子がいて気が付くと走ってその子のことを助けてました。その時に足をくじいたんです。でも門限までの時間はどんどん迫ってきてる。少し痛い足を動かして走り続けました。でもいつも通りの速さでは走れなくて門限の時間を過ぎてしまったんです。それで、カッターで切られました。そのあとお父さんに外に追い出されてしばらくそこにいるように言われてドアの鍵を閉められました。その時この家から逃げたい……そう思って逃げて……そして気が付くとここにいた。それが今日の出来事です」
「なるほどな……」
「なぁ凜華、凜華はまたあの家に帰りたいと思うか?」
「え……」
わからない……あの家にいても傷ついていくだけ、つらいだけなのもわかってる。でもいつもどこかでお父さんはまた前の優しいお父さんに戻るんじゃないかって思ってしまう。そんなことないかもしれない。だけどほんとにたまにだけど少し悲しそうな顔をするんだ……
でも結局は戻ることはなかった。いつもいつも何も変わらずに傷ついていくだけ……もう期待するのも疲れた。もう今のお父さんは私が好きだった、信じていた優しいお父さんじゃない……だったら……
「帰りたく……ない……」
「わかった。母さんたち、いいか?」
「えぇもちろんよ」
「私も賛成よ」
「僕もだ」
晴人さんたちが何を考えているのか全然わからない。
でもすごい、何も言わなくても通じちゃうんだ……いいなぁ
「凜華、しばらく家で暮らさないか?」
「え?」
家でって……喜多村の家ってことか?
それはさすがに迷惑すぎだろ、私は別に迷惑をかけたいわけじゃない。
まぁ助けてもらったりしてる時点でだいぶ迷惑はかけちゃってるが
「この家あまってる部屋も多いし、俺の父さんこれでも医者だから傷を治すのも手伝う。まぁあくまで凜華、お前がよかったらの話だ。どうだ?」
「本当にいいの?みなさんも」
「私たちは構わないわ、それに凜華ちゃんと一緒に暮らしたいくらいだし」
この人たちは何でこんなにやさしいんだろう……
私もこの人達と一緒にくらしたい!!!
「ここで暮らしたいですっ!暮らさせてください!」
「もちろん!!」
私がそういうと海渚さんがもう一度さっきよりも少し強く抱き着いてきた。
私、これからこの人たちと一緒に暮らせるんだ
< 26 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop