スカイブルーPeace
「あんた、今も凜華ちゃんのこと好きなの?」
「わかんねぇ、でもたぶん……まだ好きなんだと思う。あいつにはずっと笑っててほしいって思う」
「そう、なら頑張んないとね。ていうか咲良ちゃんは私のことも浩暉のことも覚えてそうだけど凜華ちゃんには言わなくていいの?」
「あぁ、たぶん覚えてないと思うし、急に言われても困るだけだろうから俺からは言わないつもり」
「ふーん、まぁあんたが決めたならいいけどさ、応援してるから頑張んなよ?」
「お、おぉさんきゅ」
「じゃ、おやすみー」
「あぁ」

凜華とは俺が小学二年の時、いじめから助けてもらってそれから二年くらいずっと仲が良かった。だけど小5の時に琥太郎と仲良くなって、それからはあんまり凜華とは遊べなくなった。だからそんなに凜華が覚えてなくても当然なんだ。
俺はもう一度凜華の部屋に入って凜華の頭を撫でた。
その時凜華の頬に涙が伝った。それを拭いて凜華の顔を見ると強いようでどこか幼さと弱さがあって愛おしく思った。


~次の日~
朝起きてリビングに行くと朝ごはんがおかれていた。
「あら浩暉おはよう」
「はよ」
「凜華ちゃんに朝ごはん食べるか聞きに行ってもらえる?」
「あぁ」
凜華昨日食欲出てこないって言ってたけど食べるかな……

コンコン

返事なし、か
「入るぞー」
凜華ぐっすり眠ってるな
「凜華起きろー」
少し大きめの声でそう言うと凜華はゆっくりと目を開けた
「ん……な、に……」
「はよ」
「おはよう……」
「母さんが朝ごはん食べるかだってさ」
「……」
やっぱいつも朝ごはんとか食べないのか?
でも少しずつでもいいからしっかりと飯食っていけるようになるといいな
「食べる……」
「え?」
「だめか?」
「いや、全然平気だ!今飯持ってくるな」
「いや、食べに行く」
いやまだ体痛いだろうしあんまり動かないほうがいいだろう……
んー、父さんに聞いてみるか
「ちょっと待ってな」
「ん」

「父さん、凜華がこっちでご飯食べるっていてんだけど……」
「あぁ、それなら車いす使うといい。一応凜華君の部屋の端っこにおいてある」
「わかった。」
さすが父さんだな、準備が早い

「車いすに乗ってくるならいいって」
「……わかった」
車いすに乗せる方法、気を付けないといけないことは父さんに教わってるからできる。

「あ、凜華ちゃんおはよう」
「夢花さん、おはようございます。」
「凜華君おはよう」
「晴人さんもおはようございます。」
「よし、食べるか」
「うん」
「凜華ちゃん朝ごはん多いかもだから食べれる分だけでいいからね」
「はい、ありがとうございます。」
「「いただきます」」
うん、やっぱりおいしい
「おいしい……」
小さくそういう凜華を見ると凜華は泣いていた
「凜華!?どうしたんだ?どっか痛むのか?」
「いや、ご飯食べておいしいと思ったのは久しぶりで、うれしくて……」
「凜華ちゃん、それはよかったわ、たくさん食べていいからね」
「はい……!」
そのあとも凜華はおいしいと言いながらあっという間に完食した。
「「ごちそうさまでした」」
「凜華君、少しの間安静のために学校を休んでもらおうと思うんだけどいいかな」
「はい、構いません。ありがとうございます」
「よかった。」
「そういえば海渚さんは?」
「あぁまだ寝てる。あいつ朝めっちゃ弱いんだよ」
「そうなのか」
というか今気が付いたけど凜華少し口調が前みたいに戻ってる。まだ少しだけど、よかった。
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