スカイブルーPeace

5,夏祭り

Side:凜華
喜多村の家に来てから早くも四か月が経った今、私は海渚さんとショッピングに来ています。
私は感情を少しずつだけど取り戻して、ご飯もしっかりと食べれるようになった。
足はもうすっかり治って学校にもまた通えるようになった。(前よりはさぼる回数も減ったと思う。)体の傷も少しずつだけど治ってきている。たまに不安になったりするけどそのたびに晴人さんや喜多村、みんながそばで支えてくれてここまで立ち直ることができた。
そして昔みたいに心から笑うこともできるようになった。
本当に心の底から喜多村の家に来られてよかったなと思う。
そして最近気になることがある。喜多村に触れられたり話しかけられたりすると心臓がドクン!!ってなるんだ。
それを咲良と海渚さんに相談したら「恋だね!」「ついに凜華にも春が来たね!」って目をキラキラにして言われた。

そしてなんで今海渚さんとショッピングに来ているかというと……

~遡ること一週間前~
「なぁ凜華」
「ん?なんだ?」
「こんどさ。その……夏祭りいかね?」
「夏祭り……行く!!!」
「じゃあ二人で行くか」
「わかった!」
夏祭りに行くのが久しぶりでうれしすぎてあんまりなんも聞いてなかったけどこれってデートというやつでは?
そうおもって急いで海渚さんと咲良に相談すると「「それは絶対デートでしょ!」」と言われた。
そういうのは初めてでどうしたらいいのかわからなくて悩んでいると「凜華ちゃん、夏祭り行くんだったらせっかくだし浴衣きたら?」と言ってくれて買いに行こうとなったんだ。

「凜華ちゃん!これなんてどう?」
そういって海渚さんが持ってきたのはフリルのついた赤い浴衣。
かわいいけど……
「私には可愛すぎませんか?」
「えーそお?じゃーこっちはどう?」
もう一度見せてきたのは同じフリルのついた黒い蝶の描かれた浴衣だった。
かわいい、それに大人っぽくて私の好みにすごくあっている。
「これがいいです」
「おっけー!じゃあ買っちゃおう!」
「あ、私が払いますよ」
「いーのいーの!その代わり当日は私にプロデュースさせてね!」
「はい!お願いします!」
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