スカイブルーPeace
Side:凜華
「つらかったな、話してくれてありがとう」
私は話し終わるとまた涙がこぼれてきてしまい、必死に泣き止もうとしているとまーくんは優しく私の頭を撫でて抱きしめてくれた。
暖かい。でもこの暖かさすらも嘘なのではないかと怖くなる。やっぱり私にはあの家しか居場所がないんだ。
「咲良にはこのことを言ったのか?」
咲良に?
「言ってない」
言ったら心配かけちゃう。迷惑になっちゃう。それに咲良のことを信じられない気がするんだ。もしかしたらひどいことを言うかもしれない。それが怖いんだ。咲良まで失ったら私は…………もう、
「言ったほうがいい」
なんで?言ったって特に何も変わらない。逆にデメリットしかないのに…………
「咲良は俺よりもお前のことを知ってる。それにお前は迷惑をかけて嫌われるかもしれない、なんて考えてるかもしれないけどな」
わかってるならなんでそんなこと言うの?
いやなの!咲良がいなくなったら私本当にもう立ち直れないよ…………
「咲良はそんなことですぐにお前を嫌うと思うか?だったらもうとっくに嫌いになってるはずだ。でも今までずっと笑って横にいてくれただろう?咲良のことは信じてもいいんじゃないか?あいつもお前が頼ってきてくれることをずっと待っていると思うぞ?」
「…………」
そんなの私が一番よくわかってる。咲良は私が八つ当たりしたりひどいことを言ってもきっとごめんね、そういってまた笑顔でずっと一緒にいてくれる。咲良はそういう人だ。そんなのよくわかってる。でも怖いものは怖いんだ。一緒にいてくれるそう思っていてももしかしたら…………そうおもってしまう。親友のこともまともに信じ続けられないなんて親友失格だな
「とりあえず一旦喜多村の家に帰れ、そのあと咲良に言うかは凜華が自分で決めろ。ただ言えることは…………凜華、俺は何があってもお前の味方だ。それだけは忘れるな」
「…………わかった…………帰る、」
言う通りかもしれない。それに荷物も全部喜多村の家にある。
今から帰って荷物整理しないとな……咲良のことはそれから考えよう……ごめんな咲良……

帰り道はいつもより暗く、空は灰色の雲が一面すべて覆っていて、私の心を現したかのように少しずつ涙を流していく。
私はどうするべきなのか何もわからなかった。
咲良に相談するべきなのか、しないほうがいいのか、嫌われたりしないか、そればっかり考えていて雨の中一人でゆっくりと歩いていた。いつもより帰り道が何倍も長く感じた。
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