スカイブルーPeace

家の前に立って心を落ち着かせる。この家に入るのが怖いと思ったのは初めてだ。
もう喜多村帰ってきてるのかな、今は誰にも会いたくない……でもきっと誰か知らには会うだろう。

ガチャ

家に入ると部屋の明かりがついていた。もう帰ってきてるんだ…………
「お、凜華おかえり。遅かったな……ってびしょ濡れじゃねぇか！ちょっと待ってろよ」
入ってすぐに見えたのは私が今一番合いたくない、そう思っていた人。
何でこういう時に限って合う回数増えたりするんだろう……神様は本当にひどいな……
「ほら頭ふけ、風邪ひくぞ」
そういって優しく私の頭をタオルで拭いてくれる喜多村に少し私はどきっとする。でもそれと同時にこの優しさも全部”ゲーム”のため、そう思って落ち込む自分がいた。
「大丈夫か？」
そういって心配そうに私の顔を覗き込む喜多村、こういう時に限って距離近いのほんとにやめてほしい。
とりあえず部屋に入って一人になりたい。これ以上喜多村を見てても心が重たくなっていくだけだ。
「凜華？」
「拭いてくれて、ありがとう……でももう大丈夫だから、夜ご飯も今日はいらない。それじゃあ」
そう思った私は私の頭に置かれていた手を振り払って冷たくそういい放つと走って自分の部屋に向かった。
少し冷たく言い過ぎたかもしれない……けどそんなこと気にならないくらい頭はもうぐちゃぐちゃになっていた。
荷物を下に落とすとベットに乗ってちいさくちぢこまった。
咲良…………お母さん、私どうしたらいいんだろう……
もう何もわからないよ、何を信じていいかも何もわからない、誰か……助けてよ……
「咲良はそんなことですぐにお前を嫌うと思うか？だったらもうとっくに嫌いになってるはずだ。でも今までずっと笑って横にいてくれただろう？咲良のことは信じてもいいんじゃないか？あいつもお前が頼ってきてくれることをずっと待っていると思うぞ？」
本当にそうなのかな？咲良はどんな私も受け入れてくれるかな……咲良は私が咲良を頼るのを待ってるの？
だったら咲良に相談したほうがいいよね、咲良はいつも私がどんなに孤立したりしても一切変わらずに笑顔で接してくれた。
それ以外にも私がつらいとき、本当のことを言ったとき私と一緒に泣いてくれた。誰よりもずっとそばに居続けてくれた。
こんな子だったんだって引いたり軽蔑したりもしないでずっとずっと笑いかけてくれた。いつも咲良は私に沢山の愛をくれてたんだ。
なのに誰にも愛されてないとか、それこそ咲良に失礼だ。
咲良に相談しよう。そしていつもありがとうってきちんと改めてお礼を言おう。