スカイブルーPeace
[咲良、明日咲良の家に行ってもいい?]
私が咲良にメッセージを送ると思いのほかすぐに返事が返ってきた。
[いいけど……どうしたの?なんかあった?]
[うん、少し……な、明日私学校休むから咲良が帰ってくる時間に家行くね]
[凜華に何かあったなら私明日学校休むよ]
咲良……私は咲良っ友達になれて本当によかったよ。こんないい人と出会えて私は幸せ者だね
[いいのか?そんなことで学校休んだりしても……]
[そんなことじゃないよ!とりあえず私も明日学校休むから凜華は好きな時に家においで]
[咲良、ありがとな。そうさせてもらう]
[家出るときまた連絡する。]
[わかった。凜華無理はしないでね]
[ありがとう、気を付ける]
明日咲良の家に行ったらそのままあの家に戻ろう。
荷物整理しないとな……前までは全然なかった自分のものも今ではすごく増えてたくさんある。
海渚さんと買いに行った洋服や浴衣、咲良とお揃いで買ったキーホルダー。それ以外にも思い出が詰まったものがたくさん。
喜多村達が私の荷物を持ってきてくれた時の入れ物、私にくれるって言ってこの部屋に置いてあったよな……
それ使って必要なもの、持っておきたいものだけ持っていこう。
ここを出てから一切帰ってこなかったらもしかしたら心配されるかもしれない。
手紙書いてベットの真ん中に家を出るときに置いていけばきっと気づいてくれるよな

コンコン

「凜華ちゃーんいるー?」
あ、この声は海渚さんか。
「はいいます。」
ドアの近くに行って返事をすると
「シュークリーム買ってきてんだ。よかったら一緒に食べない?」
シュークリーム……それは私がご飯をまたしっかり食べるようになってから一番好きなデザートだ。
最後の思い出に食べさせてもらおう
「はい、今行きます」
「わかった。じゃあ私の部屋で待ってるね」
「はい。」
夜ご飯喜多村にいらないって言ったから食べてない。さっきまで気が付かなかったけどおなかすいてる。
喜多村達に気づかれないように静かに海渚さんのところに行こう。

「おじゃまします……」
「いらっしゃい、凜華ちゃんこれ、一緒に食べよ?」
「はい」
この家にきて少ししてから気が付いた。海渚さんは意外と人の変化や感情に敏感だ。
勘が鋭い。もしかしたら何かあったことがばれているかもしれない。それでも海渚さんはきっと何も言わない。
海渚さんは優しいから、私のことを考えていつもわかっていても何も言わないでくれるんだ。
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