スカイブルーPeace

「凜華ちゃんがここに来てからもう結構経つんだね」
「そうですね」
もうこの家には半年以上いると思う。長い間お世話になったな
「私ねこの家に初めて凜華ちゃんが来たとき少し自分と同じだって思ったんだ」
「え？」
「まぁ全然違うと思うけどね」
そう言って笑う海渚さんはすごく複雑で悲しい瞳をしていた。
「私ね、凜華ちゃんと同じように愛してくれる人はいないって思ってた時があったの。まぁ今は家族が愛してくれてるって思ってるけどね」
海渚さんが？
海渚さんはすごくきれいで性格もいい、それにフレンドリーで面白くてみんなから好かれるタイプだと勝手に思っていた。
でも違うの？海渚さんにも何かつらいことがあったの？
「私さ、自分で言うのもあれなんだけどどちらかというと結構いいほうの顔を持ってるじゃない？」
「はい」
どちらかというとって言うか全然めちゃくちゃかわいい。それにすごくきれいな顔だ
「だからこのかお目当てによって来る男がいっぱいいたんだ。私は中学校に入りたての頃告白を何度もされた。でも私はその時誰のことも別に好きじゃなかったから断ってたんだ。そんな時学校を歩いてたら男子の会話が聞こえてきちゃって、その人たち喜多村は顔がいいから横においてれば俺も有名になれるし、他の奴らにも自慢できる。だいたい喜多村に告白してるやつらはどうせ顔だけだろ？歩くブランドを横に置いとけるようなもんだしな、オッケーされたらって」
そんな……海渚さんはすごくいい人なのに顔だけで自分の利益になるからって告白とかしてたんだ……
「それから人の告白とか好きって言葉を信じられなくなっちゃってね、男子からは顔で告白されて、女子にはいろんな人から告白されて調子に乗ってるとか、私の好きな人を取ったとかいろんな理由でいじめられていた。でもそんなときに私の初めての彼氏に会ったんだ。その人は私の中身を見てくれた、いじめからも守ってくれて、いつも横にいてくれた。気が付くと私はその人のことが好きになっていて彼に好きって言われたときにうなずいたんだ。」
私だって同じだ、どん底の時に優しくしてくれて、いつもいてくれて助けてくれた喜多村のことを好きになった。
「でもね、その人は私がうなずいて付き合い始めてから一か月くらいたった時、急に別れようって言ってきたんだ。
そのあとその場所の近くに向けて、一か月続いたんだし俺の勝ちだろ？そういったんだ。そしたらそこから男の人が何人も出てきて、ほんとに成功しちゃうとはなーとかそういう言葉を言って彼に近づいて行ったんだ。私は何が何だかわからなかった。だからどういうこと？そう聞くと、”ゲーム”だよ、お前と一か月付き合えたら一万って”ゲーム”してたんだよ。お前意外と少し優しくしただけですぐ落ちちゃうからさ、案外簡単だったわ。そう言われたの。それから私はしばらく人間不信になっててね、誰にも愛されないと思ってたし、全員私のことは見てくれない、嘘つきだって思ってた。」