スカイブルーPeace
Side:咲良
凛華がこの時間に教室にいるのは珍しい
基本的にお昼の後とか三時間目の途中とかにくることが多いのに……
明日、雨でも降るのかな……
「?そんなに見つめてどうした?」
「イーヤ?相変わらずいい顔してるなーって思って」
「私可愛くもなんともないと思うけど、それに咲良の方が可愛いでしょ」
「そーかなぁ、ありがとお」
凛華はすごく可愛い。
それは女子にも認められるくらいに。特に笑った顔が!凛華は少し薄いキャラメル色の少しクセのある綺麗なロングヘアをハーフアップしていて綺麗なスカイブルーの瞳をしている天使のような女の子。今はカラコンで隠されちゃってるけどそれでも可愛さは全然隠れない。その可愛さにプラスでたまーに見せる笑った顔は花のように綺麗で儚い。
この笑顔を守りたい。昔はもっと笑いかけてくれたのに今では1日に一回あるか、多くてもそれが本当の笑顔なのかわからない。
凛華からお父さんのことを聞いた時、私はどうしたらいいのかわからなかった。それは今もだ。
どうやったら昔みたいに凛華が心から楽しいと思って笑えるようにできるか。いつも考えている。
でも私にはお父さんと凛華を離す方法も凛華の心の傷を少しでも埋めることもできない。
ただ私は今まで通り凛華と過ごして何かあった時そばにいることしか出来ないんだ。
凛華、こんな友達でごめんね。お願い。誰か凛華を助けて……私じゃ無理だから……

Side:凛華
咲良……横を見ると何か暗い顔で悩んでいる咲良がいる。
咲良が何に悩んでるかなんて大体わかる。
きっと私のことだ。咲良は優しいからいつも私のことを考えて悩んでくれる。誰よりも私のことを考えて助けようとしてくれている。
たまに咲良に謝られる。「何もできない、凛華を救うことも笑わせることもできないこんな友達でごめんね」って。
でもね咲良、私はそう言われるたびに毎回いうように咲良にはずっと救われているんだ。
あんまり笑わないかも知れないけど誰といるよりも咲良といる時間が楽しい。安心する。何も辛いと感じることはなくてありのままでいられる。それだけで咲良は私にとって救いであって太陽のような存在なんだよ。
だからそんなに悩まなくてもいいんだ。こんな私のためにこれ以上悩んで傷ついてほしくない。
咲良にはこれからもずっと私の好きな笑顔で笑い続けてほしいよ。

キーンコーンカーンコーン

「お前ら席つけー」

チャイムの音と担任の司蔵の言葉でみんな一瞬で自分の席に移動する。
< 8 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop