あの放課後、先生と初恋。
✎𓂃𝚍𝚘𝚕𝚌𝚎
先生のヒミツ
夏休みが明けて、吹奏楽部はまたまた気合いが入っている。
それもそのはず。
8月に行われた本選大会で見事県代表に選ばれた鈴高はそのあとの東海大会でも金賞を受賞し、10月に行われる全国大会の切符を手にしたのだった。
ただ、我らは強豪校。
そんなものは当たり前のことだと、あの鉄の女なら言いそうだ。
「うん、いいね。わりと吹けてきてる」
「えっ、本当ですか…!?」
「自主練の成果アリ。次から一緒に音合わせするよ、にいな」
「はい…!!」
夏休み中は部活に来るなと遠回しに言われたわたしだったが、明けてからは変わらず参加できるようになった。
顧問に謝罪もできていないし、彼女からわたしに直接的な何かがあったわけじゃない。
ただ、落合先輩や坂田さん。
合宿で仲良くなった2年生たちまでもが「なんで部活に来ないの、吹奏楽部のくせに」と言ってくれたのだ。