あの放課後、先生と初恋。




「…やだって、なんで」


「っ、やだもん…っ」



なんでそんなこと言うんだよと、傷ついてるみたいに聞こえた。



「っ、からかわないでよ先生っ!こういうのは牧野先生にすればいーの!」



ぐいっと力付くでも逃れる。

さすがに緩めるしかなった先生の腕に、勝手ながらも無性に寂しくなった。



「…なんで牧野先生だよ」


「付き合ってたんでしょっ?お似合いお似合い!最高だ!!わっはっはっ」



う、わあっ!?

と声を出してしまったくらい、すぐにわたしの身体は引き戻された。



「だれから聞いた?」


「う、ウワサで……聞いた」



なに……?
どういうこと……?

また戻っちゃったし、先生の一息一息が背後から耳に熱く触れてくる。


すっぽり埋まっちゃうんだ…、わたしの身体なんて。

それくらい先生が大きいのか、男の人はみんなそうなのか。



「昔の話だ。今はもう関係ねーし」


「…昔って、どのくらい…?」


「……4年前くらい」


「……やっぱり付き合ってたんだ…」



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