あの放課後、先生と初恋。




先生、なんか焦ってる……?
なにをそんなに焦ることがあるの。

すごく動揺してるみたいだし、いつもの先生らしくないよ。



「どうせ俺なんて遊ばれてただけ。俺も…本気じゃなかったんだよ」


「っ…、」


「……やべえ」



切迫詰まるように甘く囁かれてから、腕は離れた。

つまり彼は教師であることを選んだというわけだ。



「おまえの身長ちょうどいいな。寄りかかりやすくて」


「………寄りかかっただけだったの!?」


「…他に何があんだよ」



顔が熱いのもドキドキしてるのも、わたしだけ?

先生の罠にまんまとハメられただけ……?



「つーか、教室にハルト置きっぱだろ。最終時刻遅れたら部活のほうに報告させてもらうからな」


「そっ、そうだった…!じゃあまた明日っ、さよーなら先生!」


「気をつけて帰れよー」



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