あの放課後、先生と初恋。
1年生の頃は強豪校がゆえ、初心者ってだけで迷惑がられて。
楽譜の読み方や専門用語だったりと、基礎中の基礎をやってほとんど1年生は終わっちゃって。
比較的簡単だというユーフォニアムやクラリネットを勧められたり、まず自分に合いそうな楽器を見つけるために手取り足取りやってはみたものの。
やっぱりトロンボーンがやりたくて、今。
「おじいちゃんが買ってくれたハルトだし、ハルトを吹いてあげられるのはわたしだけだし。もうね、いろんな意味でハルトを愛してるからわたしっ」
「………だって、イッチー」
冷静に見上げた唯ちゃん。
………に、わたしもつられるように見上げてみる。
「あっ、わはっ、先生っ!」
そこには無表情ながら見下ろしてくる、This is クールな本物の遥人くんがいた。