あの放課後、先生と初恋。
「…正直、わかんない。でも…そう思わなきゃダメって思う私もいる感じかな。だって先生を信じて私たちも今までやってきてるから」
「…そう、なるよね」
「…にいな?なにかあったの?」
「っ、ないない!今日も頑張ろう!」
どこまで隠し通せる?
逆に彼女はどこまで隠し通そうと思ってる?
わたしの家のことに口を出してきたんだから、わたしもあなたに1度くらいは強めに言いたい。
なにをしているんだ───と。
「千田、今日からの特別メニューだ。俺がいないときはなるべくこの通りに練習してくれ」
「はい!」
「個々の能力は十分ある。これからはチームワーク強化をメインにしていく」
「わかりました」
12月が近づくと、今度はサッカー部の季節だ。
夏が野球なら、冬はサッカー。
サッカー甲子園とも呼ばれているインターハイに向けて、顧問である先生も真剣な顔が増えていた。
今も特別練習メニューが記載されているだろうプリントを、3年生のサッカー部キャプテンに渡している。