あの放課後、先生と初恋。




「11月は定期演奏会、そして12月はサッカー部の応援があります。みんな予定を把握しておくようにしてください」


「「「はい」」」



そしてやっぱり、吹奏楽部の次の部長になったのは心菜だった。

3年生がいなくなった音楽室はこんなにももの寂しいものなのかと、不思議だ。


たまに先輩たちも顔を出してはくれるけれど、先輩たちも先輩たちで次は受験がある。

高校生って………めちゃくちゃ大変。


────なんて思っていた、10月下旬のことだ。



「聞いた?実質上のクビだって。ヤバくない?こんな急なクビってあるの?」


「なにかやらかしたんじゃない…?だって和久井先生だよ?吹部どーなんの?」


「なんかさ、西先生も関係してるらしいよ。謹慎処分らしいし」


「えっ、ってことは………まさか?」



鈴ヶ谷高校の教師ふたりが、同じタイミングで姿を消した。


ひとりは解雇、ひとりは謹慎処分。

解雇されたのは吹奏楽部の顧問をしていた和久井先生で、校内は騒然とした困惑が広がった。


…………天罰が食らったんだ。



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