あの放課後、先生と初恋。




「英語の課題。なるべく昼休みまでに出せよって圧かけたつもりだったんだけどな、朝」


「えっ、そうだったの…!?ええっと、あと残り半分だけなので………放課後までには必ず提出いたします!!」


「……………」



えええ……、
なんかすごい剣幕で見下ろしてくる…。

怒ってるの…?

それとも何か他に思うところがおありで……?


遥人くんって表情の変化が滅多に分からないから、読み取るのが至難の技すぎる。



「ニーナ、お詫びに何かあげたほうがよくない?」



そこで唯ちゃん、なにかを察したようにそんなことを。



「へ、お詫び…?あげるって…?」


「イッチー、さっきからニーナのお弁当に熱視線送ってるから」



と、言われましたので。

先生が何を見ているのか、視線の先をたどってみる。


卵焼き、ミニトマト、ウインナーなどなど……。

つまりターゲットはわたしのお弁当さんだ。


そしてとうとう、本人さんが形の良すぎる唇を静かに開きまして。



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