あの放課後、先生と初恋。




「小テストの採点にかなり時間かかってまだ何も食ってない。そしてどこかの補習生を待ってたけど一向に来ねえから、わざわざ来てやって今」


「か、かたじけねえ………。あっ、この冷凍食品だろうミートボール……食べますぅ?」


「の、隣のアスパラ巻いてあるやつ」


「こっ、これは大切に取っておいたママン特性のアスパラ豚バラ巻き───ちょっ、なんだと!!」



ひょいっと奪われましたわたしの大好物……!!

モグモグモグと咀嚼して「うまい」からの、ベッと舌を出すイジワルさで。



「………すっっっき」



………許します。

心の広いわたし、許してしまいますよねもう。



「イッチー、あたしのもあげる~!」


「飴いるー?疲れたときは糖分じゃん!」


「んならオレのトマトも食ってよイッチー!これで母ちゃんに残すなって怒られなくて済むから!!」



だがしかし、だ。

わたしだけではないところが、なんとも先生なんだよなあ───と。



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