あの放課後、先生と初恋。




こんなところでなんですが。

スーっと息を吸ってブオーーっと、開始1秒だった。



「おいそこー!試合前は吹くなーーー!」


「ぎゃっ…!ごめん然くんっ、わたし逃げる!!ふぁいとーーー!」


「あっ、先輩…!…ふっ、はははっ!」



他校の厳しそうな先生に怒られてしまい、目立たないためにも逃げたわたしは逆に目立ったんじゃないかと不安だ。

それから始まった試合中は応援スタンドの離れたところに然くんはいて、たまに振り返ると必ず目が合う。



「さあみんな!今日もおもいっきり応援しようっ!」


「「「はい!!」」」



毎年の優勝候補だという、古くから鈴高のライバルと言われつづけてきた相手チーム。

手に汗を握る思いで見守っていたのだが、エースストライカー欠場ということもあってか、結果は惜しくも2位と破れた。


野球で言うところの甲子園であるインターハイ出場には、あと1歩と及ばなかったのだ。



< 180 / 360 >

この作品をシェア

pagetop