あの放課後、先生と初恋。
「そもそも運動部の応援に行かせられるのなんか、2年で使えないからじゃんね。なのにリーダーにされたとか喜んで、結局それってうちらが立ててあげてるだけだから」
「ほんとほんと。相手チームのブラバンが上手だったから、まじ恥ずかったー。こっちの演奏、ぜったい皆木先輩のせいで馬鹿にされてたよね」
「でも逆を言えば?うちら来年、コンクールメンバー狙えるってことだよね。鈴高の足引っ張ってるお荷物だって、いい加減気づけよ」
言われちゃうのは、仕方のないこと。
下手くそなのは本当だし、彼女たちのほうが経験年数も上だ。
でも少しずつ追いついていると思っていた。
ちゃんと先輩になることができてるって、勘違いしてたよ。
「───言って欲しいな、そういうの」
「「っ……!!」」
個室から出て、ほほえむ。
まるでこの世の終わりのような顔を浮かべたふたりは、しどろもどろ。