あの放課後、先生と初恋。




「くや、しい……っ」


「…ああ」


「っ…、かなしい……っ」


「……ああ」



人間不信になっちゃうよ、こんなの。

心菜もそうなのかなって、落合先輩もそうなのかなって、思いたくないのに考えてしまう。


でもね、先生はそうじゃないって信じたいんだわたし。



「…やめるか?」


「っ…、やめたく…ないっ」


「諦めるか?」


「やあだ……っ」



先生……、なにしてるの……?


おもいっきり腕が引っ張られて、涙でぐしゃぐしゃな顔を上げたときにはもう。

今まで何度も何度も何度も、数えきれないくらい想像した腕のなかだった。



「っ……、」



背中に回った手が、ギリギリまで引き寄せてくる。

教師と生徒がくっついていいギリギリまで。
大人と未成年が触れあっていい、ギリギリ。


ううん。

ギリギリなんてもう、超してるよ。



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