あの放課後、先生と初恋。




「イッチー命なニーナってのは知ってるけどさ。たぶん、もしゼンくんを選んだとしても………ニーナは笑顔になれるだろうね」


「……唯ちゃんもやっぱり、わたしの恋は応援できない…?」


「…応援できないんじゃない。ただ…、世の中の目とか法律ってほんと面倒だから。でも裏を返せば、みんなを守るためにあるのが法律なんだよね」



未成年と大人が惹かれあってはいけない法律は、それだってお互いを守るためとでも言うのか。

当事者であるわたしにはやっぱり分かりたくない。


小学生と52歳、とかだったらさすがにダメってわかるよ。

でもわたしはもう、自分である程度の判断は委ねられる17歳だ。


数ヶ月後は18歳、一応は成人になる。


しかしそのあとは「教師と生徒」という強力なレッテルだけが残るのだ。



「最終的には教師で大人なイッチーがどう判断するかだね。…ニーナが泣かない選択をして欲しいけど」



変な言い方するんだね、唯ちゃん。

まるで先生もわたしのことを好き、みたいな言い方だ。



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