あの放課後、先生と初恋。

折れた心





「───以上、今年の予選はこのメンバーでいく。よろしく頼むよ」



どうしてみんなわたしを見るの。
先生の話はちゃんと聞かなくちゃ。


そろそろ予選メンバーが発表されるだろうと、みんなが期待と緊張を持っていた。

そのなかでもわたしがいちばんだろうって自信はあって。


そう、自信があったの。


けれど予選メンバーにわたしの名前は呼ばれなかった。



「ねえ、メンバーってなかなか変わることないよね…?」


「ないね。でも正直あたし、にいな選ばれると思ったよ。だって褒められてたじゃん」


「そうだよね。ただ……さ。名波のほうがやっぱり安心感はあるってこと、かな」


「あーー……ね」



確実に県代表に選ばれるためのメンバーだったんだ。

確実に東海大会に進んで、上位3位に確実に選ばれるための。


これは私情をいっさいと捨てた、全国に行くためだけのチームだということだ。



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