あの放課後、先生と初恋。
「鉄棒で100回連続逆上がりしたら考える」
「………まじか!!?!?なにそのめちゃドSな優しさっ、いやしかしっ、やります!!」
「…そこ本気にすんのかよ」
「するするっ!約束だよぜったいっ」
「いつするんだよ」
「球技大会の日っ!!」
「……まじか」
腹筋も鍛えられるだろうし、楽器演奏には体力に持久力、そして忍耐力も必要になってくると教わっていた。
つまりそれは………イエス一石二鳥っ!!!
「すっごい元気出たありがとう先生!!わたし部活がんばるっ」
「………おまえは“イッチー”って呼ばねえよな」
「へっ」
「…いちばん呼びそうなのに」
まさかそんなことを気にしていただなんて。
呼んで欲しいなら呼ぶけど………いーや、やっぱり呼ばない。
「うん!だって逆に特別な感じ、するから」
「…のわりには敬語じゃないと」
「ふふっ。それもわたしだけにしたいもん……とか言っちゃったりして!きゃーーっ」
見ててね、先生。
球技大会の卓球も、鉄棒100回も、これからのわたしも。
先生に見ててもらえるなら、どんなことでもきっと乗り越えられるから───。