あの放課後、先生と初恋。
「やっぱさー……、ありえない未来ではない気がするんだよね」
「へ?唯ちゃんなにか言った?」
「ごめんニーナ。私このあとバレーだから行くわ」
「あっ、こっちこそごめんよ…!応援、行ってあげられそうにない……かも」
「いーよいーよ。しばらく安静にしてたほうがいいって。そうだこれ、ニーナのスマホ。…じゃあイッチー、あとはよろしくお願いしまーす」
と言って、わたしにスマホを渡した唯ちゃんは保健室を出ていった。
でもこんなスマホがあったところでね、夢は叶わないんだよ唯ちゃん。
くぅぅ……!ツーショット……!!
これ半年間はぜったい引きずる確定だ…。
今日の夜は悔しさで眠れそうにない。
「まるで甲子園に叶わなかった高校球児みたいね、遥人」
「………たしかに。そうですね」
ちょっとちょっと。
まって、聞き捨てならないです。
牧野先生、いま、先生のこと名前で呼び捨てにした……?