あの放課後、先生と初恋。




わたしの聞き間違いじゃないよね?

顔面でボールを受け止めたけれど、脳には異常ないはずだよわたし。



「ああ、私と一浦先生は大学時代の先輩後輩なの」


「……えっ」


「だからつい、…ふたりになると昔の癖が出ちゃってね」



わたしからのジェラシーをすぐに感知した牧野先生は、サラリと説明をしてくれた。


ってことは、先生は牧野先生の後輩ということで……?

いっしょに大学ライフを送った仲ということ……で?



「羨ましっっ!!えー!いいなあ~」


「ふふふ。と言っても学科が別だったから、皆木ちゃんが想像してるのとは少し違うかもだけど」



だとしても大学生時代の先生を知っているというだけでもう、勝ち組だ。

同級生っていう響きすらドキドキしてキラキラするというのに、お互いが働き初めても同じ職場って……。


それってさ、つまり運命………、



「いやいやいや!!ないない!それとこれはねっ、まったく別物だとわたしは思うんでね…!!」



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