あの放課後、先生と初恋。




「………これって、」


「あたしが1年のときに使ってた練習ノート。部屋を片付けてたら出てきてね、すこしは役に立つと思うの」


「え…、いいんですか…?」



血と涙が込められたノートだってこと、見ただけでもわかる。

何度も何度も同じ言葉をペンでなぞっていたり、課題や疑問点だったりと、先輩の努力が文字化されたようなものだった。



「いーよ。これをどう活用するかはあんた次第でもあるし、これが先輩としてあたしができることだからさ」


「せ、先輩…!ありがとうございます!!シャアッ!!」


「ほんと良いキャラしてるよ、にいな。それぜったい運動部の返事なんだよねー」



いい先輩もいる。

とくにこの落合先輩は、わたしが1年生のときに基礎を付きっきりで叩き込んでくれた恩師でもあった。



「それに、あれはめちゃくちゃウケたよ。思い出すだけでお腹痛いもん」


「……………」


「ふふっ、やるとは思ってたけどやっぱりやったわって感じ。ヒヤヒヤした~」



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