あの放課後、先生と初恋。




『あの人の指導はただのヒステリックなパワハラだと思ってる。俺も極力関わりたくない』



先生、たぶんね、あってる。
めちゃくちゃその通りなんだと思う。


ただそれくらいの熱量は確かに感じた。

このメンバーを全国大会に連れて行きたいんだなって気持ちも、なんとなく。


………いやいや、本当に連れて行きたいなら練習は投げ出さないんじゃないの。


だって先生、世知辛い話ですがそれでお給料貰ってるんですよね…?



「仕事、してないじゃん……」



またまた戻された教室。

あれからパート練習になってしまったことで、わたしは個人練習に戻された。


3年生を送る会で簡単な節だけを吹いたこともあり、最近はアンブシュアというよりはとりあえず吹いて感覚を掴む練習に変えている。



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