あの放課後、先生と初恋。




「いつも先生のこと考えてたよ。写真みてね、元気もらってた」


「……おう」


「和久井先生に言われてるときも、先生が隣にいたらって想像して。……先生はわたしのこと考えてくれてた…?」


「………まあ、少しは」


「ほんと!?やったあっ」



もし先生と同い歳だったらって、何度も想像した。

先生はサッカー部で、わたしは吹奏楽部。
そんなクラスメイトだったとしても。


きっと今とそこまで変わらない会話があるんだろうなって思う。



「せんせっ、先生!」



握ったこぶしを突き出す。

こういうの、部活っぽくて憧れてたんだ。



「…頑張れよ」


「はいっ!」



トンっと、わたしよりも大きな握りこぶしが合わさる。

あまり見ることができない微笑みもセットだ。


─────先生、だいすき。



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