眩しい君の隣へ。

安堵の代償。

数日たった,土曜の夜。

バイトは休みを取って,考えた末,私は明に電話を掛けた。



「明,今,家?」

『そうだけど』



電話をとってくれたこと。

いつもいるって分かってても,今いてくれたこと。

両方にほっとする。



「今から家,行っていい?」

『鍵なら空いてる』

「うん,分かった」



若槻は,眩しい。

私の気まぐれが無くちゃ,知り合いになんてならなかった。

いつも,学校の真ん中にいて。

何でも出来て。

私と同じ所が沢山あるのに,私は皆から敬遠されて。

あんな風になりたかったんだなって,思い出した。

だから,私じゃ見合わない。

私は,明の彼女だから。



『別れちゃえ』



今の私じゃ,並べない。

いつか並べるかも分からないけど,今のままじゃ努力も出来ない。

眩しいよ,若槻は。

眩しいけど,並べるようになりたい。

だから



「明,私と別れて」

< 15 / 20 >

この作品をシェア

pagetop