眩しい君の隣へ。

ねぇ,どうする?

連れていかれたのは,警察署と呼ばれる場所だった。

どうやら,普段から気にしていたらしい近隣のおばさんが,ただならぬ物音に通報したらしかった。

ここのすぐ近くにある明の家なんて,簡単に到着する。

色々聞かれて,答えたり答えなかったりして。

今日のことは


『痴話喧嘩』


と言うことにした。

それで明がどうなるのかなんて分からないけど,取り敢えず怖がったふりで身体は見せなかった。

上手く別れてあげられなくて,ごめん。

そんな風に,思いながら。

後で見せろと言われても,全部今日の傷と言うことにする。

こうゆうの,学校にも報告しなきゃなんだよな。

私は面倒に思う。

そんな風にしていると



「保護者は?」



と聞かれた。

背筋がピキンと凍る。

息が詰まって,私は固く口を閉じた。

普通に考えたら当たり前なのに,浮かばなかった。
連絡されたくないから。



「母が,1人」

「電話番号は」

「分かりません」

「住所は」

「分かりません」



警察に嘘を付く。

それはとても勇気のいることだったけど,質問に答えなかったことと同じように,私はハッキリと答えた。



「他に誰か」



警官が渋い顔をして。

今しかないと思った私は,咄嗟に



「それなら,友人が1人。彼なら来てくれます」



他に呼べる番号も持っていなかったから,勝手に名前を出した。

そして,本当に来るのが若槻と言う男子。

警官を威嚇しながら,ありがたく回収された。

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