眩しい君の隣へ。
「なに,してんの!!」
まず最初に,私は怒られる。
「ごめんって,仕方なかったんだよ」
無表情で答えると,若槻は絶句する。
「仕方ないわけ…だからって……」
何か言おうとして,上手く行かなかったのか。
若槻はロボットみたいに停止する。
「若槻?」
私はうつむいた若槻を覗き込んだ。
「! …また,泣いてるし」
「何でこんな時間に,1人で…せめて一目のあるところで…」
概要を聞かされたんだなって,その言葉を聞いて分かった。
痴話喧嘩。
それだけ聞けば,何となく流れも分かっただろう。
「明を,悪者にしたくなくて」
私がそうさせたみたいなもの。
今まで反抗もせず,なすがまま。
私を傷つけながら,明は最初よりもっと酷く壊れたと思う。
「心配,するだろ普通。何で傷増やしてくるの」
ぎゅうっと抱き締められて,痛いのに嬉しい。
私も泣きたくなった。
「若槻,ねぇ,どうする?」
「何,が」
鼻声が可愛い。
守ってあげたかったとか,格好いいこと思ってるのかな。
「私,今フリーだよ」
「…」
ごしごしと,若槻が目元を拭う。
正面から私を見据えた若槻は
「誰よりも大事にする。次何があっても,ちゃんと守る。だから…」
俺だけの彼女になって。
若槻はそう言った。
私は満面の笑みで笑う。