眩しい君の隣へ。

意外な恋愛事情。

「ないの? 今まで1度も? それに…興味,ないんだと思ってた」

「でしょうね」



それくらい,知ってる。



「じゃあ,なんで1日?」

「何でって,何。今日たまたま空いてたから,そう言っただけ」

「そうじゃなくて…俺,一花とならなれると思うけど,友達」



食べ終わって出た紙のごみを折り畳ながら,私は若槻の顔をみた。

何の話?



「また誘ってよ」

「友達って,そうゆうものなの?」



定義なんて知らないけど,そんな風になるものなんだろうか。



「俺,女子の友達ってあんまいないんだよね」



私も,見たことない。

あんなに好かれているのに,女子の誰かと一緒にいる。

そんな光景は少なかった。



「何か,最初に話す段階で,俺と温度差がある気がして。彼女がいた経験もないのに,求められてる物が多い気がして」



彼女。



「いたこと,ないの?」



嘘でしょ。

信じられないと,眉が寄る。

どこで生息しようと選び放題のはずなのに。



「じゃあ,ど…」

「ちょっ…」

「……ごめん」



口を塞がれて,取り敢えず謝った。

真っ赤な顔の,若槻がいる。

これ,見られたら誤解されるな。

私は冷静に,周りに人がいないかを目だけで確かめた。
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