さよなら、わたしの初恋
人の波を縫って、ふらふらと来た道を戻る。花火大会から帰る途中でドリンクを売る屋台に寄った。
ビール缶を開けると、プシュウッと夏らしい音がした。そのままビールを豪快に流しいれる。喉が焼けるように熱い。
だけど今は、その痛さが心地いい。
「お嬢ちゃん、あんま無理すんなよー」
「えーいっ!」
屋台のおじちゃんの言葉に酔っ払い気味に返事をする。
振り返りもせず、片手だけ上げてふらふらと歩く姿はなんて滑稽なのだろう。
すぐ酔っ払う体質だと知りながらも呑むのをやめられないのは、きっと。
「ただいま、はなび」
あんたのせいだ───。