天才脳外科医〜この手で彼女を最高に幸せにしたい〜
パン屋の仕事が終わって、病院へ向かう途中、
背後から声をかけられた。

「こんにちは。華奈さんでしたっけ?」

そっと後ろを振り返ると、翔平の母親がいた。

『お義母さん。ご無沙汰しております。』

「あなたのおかあさんじゃないけど。まぁいいわ。
あなたのこと調べさせてもらったわ。そこの普通のパン屋に働いてるのよね?庶民的なのね。なんでも、ご両親がいないみたいじゃない。」

『はい。父も母も病気と事故でなくなりました』

「いないからって結婚してなんでも頼られたら迷惑だわ。あなたと翔平が結婚してメリットはなに??」

『メリット...』

「まあ。ないわよね。せいぜい子供を産んで跡取りを育てるくらいじゃない?それよりも、製薬会社のご令嬢の方がメリットあると思わない⁇」

『は、はい...』

「あら。やっぱりそうよね‼︎話が通じる人でまだ良かった。今すぐ翔平の家を出てあの子から離れなさい。今すぐにね‼︎」

と言い捨てどこかへ去って行った。


やっぱり、私と翔平さんはふさわしくなかった。
それだけのこと。翔平さんの幸せを願うなら私がいなくなった方がきっといい。

そう思って、華奈は自宅へ帰り必要最低限なものだけ持って家を出た。


さて、どこにいこうかな。
いっそ遠いところに行こうかな思い駅に向かった。




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