天才脳外科医〜この手で彼女を最高に幸せにしたい〜


臨月を迎えたある日、華奈は奈緒を連れてスーパーに買い物へ行こうとしていた。

「買い物なんて俺が帰りに買って帰るし、そんな大きいお腹で奈緒を連れて危な過ぎるよ。」

『大丈夫。過保護なんですから!近くのスーパーだし先生からもお産のためにいっぱい歩くように言われてるので。』

「でも、、」

『はい。遅れますよ』

翔平は家を出た行った。


そして、スーパーへ行く準備をした。

『準備おっけ。奈緒ー買い物いこか!』

「いくぅー。おやちゅかう?」

『ひとつだけね』

「やったぁー」

上機嫌で家をでた。


*****


奈緒を抱っこして横断歩道を渡っていると、

ブォォォォォォォン

と猛スピードの車がきた。

ガードレールにぶつかったりしながらも、華奈の方へ向かってきていた。


「間に合わない」

お腹も大きいし、奈緒もいてるしすぐさま逃げることを不可能だと思った。
しかも、大通りの交差点真ん中にいて他にも人がいて逃げれる状態じゃない。


華奈は意思を固めた。

「奈緒とお腹の子だけは必ず助ける。私の命に変えてでも。この子たちが助かれば、あとは翔平さんが立派に育ててくれる。さよなら、もっと一緒にいたかったなー。」

涙を流しながら、しゃがみ込み奈緒をお腹の中に隠し抱きしめた。





キィーーーーーー。
ドンッ


キャー
ピーポーピーポー


奈緒の鳴き声が聞こえる。

「奈緒よかった生きてる。奈緒は必ず生きて」


ああ。今、お母さんの気持ちよくわかった。
自分の命に変えて子供達を守りたい気持ち。
私も全く同じことをしていた。

お母さん私を守ってくれてありがとう。
おかげ様で、素敵な旦那様と子供に会えたの。
涙を流しながらそこで華奈の意識はなくなった。






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