通い始めた料理教室、わたし以外男の子しかいないんですが。
文乃はみんなを見て、
すこしドキドキしてしまう。
物静かな月影くんが、
「松下さん熱でもあるんですか?」
と心配そうに
声をかけてくれたことで、
自分の顔が赤くなっていることに気づき、
恥ずかしくなる。
「い、いえ!大丈夫です!」
と私が言うと、月影くんは
「ならいいのですが…」と優しく微笑んだ。
オーブンから、ピーピーと音がした。
クッキーが焼きあがったようだ。