政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
6-21 3人の約束
「レベッカ良かったのかい? あのまま彼女を行かせて」
ランス王子が尋ねてきた。
「良かったも何も、あれでは引き留めようも無いですからね」
そして私はサミュエル王子にお礼を述べた。
「ありがとうございます。サミュエル王子」
「何でお礼を言うのかい?」
「いえ。リーゼロッテやアレックス王子には色々と思う処があったので、お陰様でスキッとしました」
「そうかい。お役に立てて何よりだったよ」
サミュエル王子はニコニコしている。
「とんだ邪魔が入ってしまったけど、ようやく静かになったね。さて、それじゃ皆でレベッカ王女特製のフルーツの続きを頂こうか?」
ランス王子の言葉に私達は再びベンチに座り、フルーツタイムの続きを再開した……。
「レベッカ、このイチゴは本当に甘くて美味しいね。お願いがあるのだけど、国のお土産にいちごを貰って帰ってもいいかい?」
サミュエル王子はよほどイチゴが気にいったようだった。
「そうですね。管理しているのは私ですけど、果樹園の持ち主はランス王子なので」
するとランス王子の目の色が変わった。
「よし、それなら国家間の取引をしないか? 実はこのイチゴをグランダ王国の特産品として貿易を始めようかと思っていたんだ」
「へ~なるほど、それは名案じゃないか。俺たちの国も協力するから苗を分けてくれよ」
その内、2人の王子は私そっちのけで何やら難しい話を始めたので私は声をかけた。
「あの~何やら難しいお話をされているようなので、私は部屋に戻ろうかと思うのですが」
「そうかい?それじゃ今夜はこの城に泊めてもらうつもりだから、良かったら俺と一緒に夕食を食べないか? どうせアレックスとは食事をとっていないのだろう?」
サミュエル王子が食事に誘ってきた。
「ええ、そうですね。いつも食事は1人で食べるか、ミラージュと一緒に食べていましたね。アレックス王子はどうも私と一緒に食事をとっていると貧乏くさい気持ちになってしまうそうです。でもお食事のお誘いならいいですよ」
まあ、たぶんアレックス王子がそんな気分になるのは私がテーブルマナーを知らない為にワイルドに食事をするからなのかもしれないけれど…。
「それはいいね。僕も食事会に混ぜて貰おうかな?」
ランス王子が尋ねてきた。
「ええ、私は構いませんよ。サミュエル王子はどうですか?」
「勿論、俺も構わないよ。食事は大勢でとった方が美味しいからね」
サミュエル王子は頷く。
「よし、それじゃ決まりだね。では18時にそれぞれの部屋へ迎えの者を寄越すから待っていてくれるかな。それにしても……相変わらずアレックスは辛辣な言葉をレベッカに浴びせるんだね。兄として申し訳ないと思っているよ」
「いえ、もう慣れましたから」
サラリと答えるとサミュエル王子がため息をついた。
「はぁ……全く本当にアレックスは馬鹿だ、阿保だ、間抜けだ。クズだ。数年前から社交界で評判の悪かった、あのリーゼロッテに夢中になるなんて……」
「へ~そんなにリーゼロッテは評判が悪かったんですか?」
私の質問にサミュエル王子は頷いた。
「ああ、そうさ。何せ彼女がダンスパーティーに参加すれば必ず男は食われていたからね。まぁ、アレックスだって似たような者さ。あいつだって必ず女性をお持ち帰りしていたからな」
「なるほど。似た者同士というわけですね。本当に2人とも性に対して奔放なのですね~。私にはちょっと考えられないですけど。それでは私はそろそろ行きますね」
今度こそ私は立ち上がって挨拶した。
「またね。レベッカ」
「それじゃ夕食の席でな」
こうして私はランス王子とサミュエル王子に見送られ、その場を後にした。
そしてこの後、ついに私の堪忍袋の緒が切れる事件が勃発する――
ランス王子が尋ねてきた。
「良かったも何も、あれでは引き留めようも無いですからね」
そして私はサミュエル王子にお礼を述べた。
「ありがとうございます。サミュエル王子」
「何でお礼を言うのかい?」
「いえ。リーゼロッテやアレックス王子には色々と思う処があったので、お陰様でスキッとしました」
「そうかい。お役に立てて何よりだったよ」
サミュエル王子はニコニコしている。
「とんだ邪魔が入ってしまったけど、ようやく静かになったね。さて、それじゃ皆でレベッカ王女特製のフルーツの続きを頂こうか?」
ランス王子の言葉に私達は再びベンチに座り、フルーツタイムの続きを再開した……。
「レベッカ、このイチゴは本当に甘くて美味しいね。お願いがあるのだけど、国のお土産にいちごを貰って帰ってもいいかい?」
サミュエル王子はよほどイチゴが気にいったようだった。
「そうですね。管理しているのは私ですけど、果樹園の持ち主はランス王子なので」
するとランス王子の目の色が変わった。
「よし、それなら国家間の取引をしないか? 実はこのイチゴをグランダ王国の特産品として貿易を始めようかと思っていたんだ」
「へ~なるほど、それは名案じゃないか。俺たちの国も協力するから苗を分けてくれよ」
その内、2人の王子は私そっちのけで何やら難しい話を始めたので私は声をかけた。
「あの~何やら難しいお話をされているようなので、私は部屋に戻ろうかと思うのですが」
「そうかい?それじゃ今夜はこの城に泊めてもらうつもりだから、良かったら俺と一緒に夕食を食べないか? どうせアレックスとは食事をとっていないのだろう?」
サミュエル王子が食事に誘ってきた。
「ええ、そうですね。いつも食事は1人で食べるか、ミラージュと一緒に食べていましたね。アレックス王子はどうも私と一緒に食事をとっていると貧乏くさい気持ちになってしまうそうです。でもお食事のお誘いならいいですよ」
まあ、たぶんアレックス王子がそんな気分になるのは私がテーブルマナーを知らない為にワイルドに食事をするからなのかもしれないけれど…。
「それはいいね。僕も食事会に混ぜて貰おうかな?」
ランス王子が尋ねてきた。
「ええ、私は構いませんよ。サミュエル王子はどうですか?」
「勿論、俺も構わないよ。食事は大勢でとった方が美味しいからね」
サミュエル王子は頷く。
「よし、それじゃ決まりだね。では18時にそれぞれの部屋へ迎えの者を寄越すから待っていてくれるかな。それにしても……相変わらずアレックスは辛辣な言葉をレベッカに浴びせるんだね。兄として申し訳ないと思っているよ」
「いえ、もう慣れましたから」
サラリと答えるとサミュエル王子がため息をついた。
「はぁ……全く本当にアレックスは馬鹿だ、阿保だ、間抜けだ。クズだ。数年前から社交界で評判の悪かった、あのリーゼロッテに夢中になるなんて……」
「へ~そんなにリーゼロッテは評判が悪かったんですか?」
私の質問にサミュエル王子は頷いた。
「ああ、そうさ。何せ彼女がダンスパーティーに参加すれば必ず男は食われていたからね。まぁ、アレックスだって似たような者さ。あいつだって必ず女性をお持ち帰りしていたからな」
「なるほど。似た者同士というわけですね。本当に2人とも性に対して奔放なのですね~。私にはちょっと考えられないですけど。それでは私はそろそろ行きますね」
今度こそ私は立ち上がって挨拶した。
「またね。レベッカ」
「それじゃ夕食の席でな」
こうして私はランス王子とサミュエル王子に見送られ、その場を後にした。
そしてこの後、ついに私の堪忍袋の緒が切れる事件が勃発する――