政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
7-10 僕と結婚しよう
「お、驚いたよ……。レベッカ。君はアレックスが言った通り魔女だったのかい?」
ランス王子が私を見た。
「いいえ! レベッカ様が魔女のはずないじゃありませんかっ!」
そこへミラージュが声を上げる。
「そんな事よりもランス王子。一体どういうことなのです? 何故この目の前の王子は突然リーゼロッテと別れたりしたんですか? いえ、そもそも本当に別れたのですか?」
チラリとアレックス王子を一瞥した。もはや名前も呼びたくない男は凍り付いた薔薇の花を足元に置き、必死で氷にくっついてしまったブーツを外そうと奮闘している。
バカ丸出しの姿だ。
私の質問にランス王子は答えた。
「ああ……実はね、僕がアレックスの部屋に行った時リーゼロッテとアレックスはベッドの上で……」
「ほらっ! やっぱり姦通していたんですねっ!?」
ミラージュが声を上げる。なんと! あの状況の後、再び2人は行為に及んでいたというのだろうか!?
「違う違う! いくら何でもあの2人だってそこまで盛っていないよ」
ランス王子は慌てて手を振るが、あまりフォローに聞こえない。
「あの2人はね、喧嘩の真っ最中だったんだよ。レベッカを2人の愛人と共謀して殺害しようとした話でね。互いに大勢の愛人がいたことが発覚したのだよ」
「は……? 今更ですか?」
信じられない、あの2人……何と言う鈍さだろう! やはりあんな王子がこの国の国王になればあっという間に滅びるだろう。いや、それ以前に皇帝が王位を継ぐことを許さないかもしれない。
それにあのアレックス王子が私に興味を持ったのもこの力のせいに間違いない。私を懐柔して自分の思うままに力を使わせたいのだろう。あんな王子の前で力を発動させるつもりなど無かったのに……つい、怒りのあまり使ってしまった。
どうしよう……? いっそやってしまおうか……?
その時。
「…どうだろう? レベッカ。アレックスがそれほど嫌なら僕の妻にならないかい? 実は今回の件は全て国王に報告済みなんだ。父はレベッカに無礼な態度ばかり取ってきたアレックスに激怒している。君の判断次第で王位継承権を剥奪してやると言ってたんだよ。だからこの際だからアレックスは処罰して、僕と結婚してこの国を発展させていかないかい? だって仮にも僕はレベッカの新郎役を務めているのだから。この際本当に結婚しないかい?」
そしてランス王子は私の右手を取った。
「ちょっと! レベッカ様に勝手に触らないで下さいっ!!」
ミラージュが声を上げる。
「あの……ランス王子」
「うん? 何だい? レベッカ」
「……手を放して頂けますか?」
バチッ!
私の身体から電流が走り、ランス王子の手を感電させた。
「うわっ! 痛いっ!」
ランス王子は手を離し、よほど痛むのか、その場にうずくまってしまった。
「ああ……失礼しました。ランス王子。勝手に触れられて虫唾が走ったものですからつい、力が入ってしまいました」
「え……? む、虫唾……? な、何故だいっ!? レベッカッ! 僕は君に酷い事なんかこれっぽちもしていないよね!? 君の事は可愛いと思っていたし、絶対にあいつみたいに浮気なんかしないよっ!?」
ビシッとアレックス王子を指さしながらランス王子は喚く。一方のアレックス王子は怒りで顔を真っ赤にし、両手で口をこじ開けようとしている。
「酷い事……? ええ、確かにされてはいませんけど。でも、そもそも……あの男の兄と言うだけで、もう全てが気に入らないんですよっ!」
アレックス王子を指さしながら、ランス王子に言い放った――
ランス王子が私を見た。
「いいえ! レベッカ様が魔女のはずないじゃありませんかっ!」
そこへミラージュが声を上げる。
「そんな事よりもランス王子。一体どういうことなのです? 何故この目の前の王子は突然リーゼロッテと別れたりしたんですか? いえ、そもそも本当に別れたのですか?」
チラリとアレックス王子を一瞥した。もはや名前も呼びたくない男は凍り付いた薔薇の花を足元に置き、必死で氷にくっついてしまったブーツを外そうと奮闘している。
バカ丸出しの姿だ。
私の質問にランス王子は答えた。
「ああ……実はね、僕がアレックスの部屋に行った時リーゼロッテとアレックスはベッドの上で……」
「ほらっ! やっぱり姦通していたんですねっ!?」
ミラージュが声を上げる。なんと! あの状況の後、再び2人は行為に及んでいたというのだろうか!?
「違う違う! いくら何でもあの2人だってそこまで盛っていないよ」
ランス王子は慌てて手を振るが、あまりフォローに聞こえない。
「あの2人はね、喧嘩の真っ最中だったんだよ。レベッカを2人の愛人と共謀して殺害しようとした話でね。互いに大勢の愛人がいたことが発覚したのだよ」
「は……? 今更ですか?」
信じられない、あの2人……何と言う鈍さだろう! やはりあんな王子がこの国の国王になればあっという間に滅びるだろう。いや、それ以前に皇帝が王位を継ぐことを許さないかもしれない。
それにあのアレックス王子が私に興味を持ったのもこの力のせいに間違いない。私を懐柔して自分の思うままに力を使わせたいのだろう。あんな王子の前で力を発動させるつもりなど無かったのに……つい、怒りのあまり使ってしまった。
どうしよう……? いっそやってしまおうか……?
その時。
「…どうだろう? レベッカ。アレックスがそれほど嫌なら僕の妻にならないかい? 実は今回の件は全て国王に報告済みなんだ。父はレベッカに無礼な態度ばかり取ってきたアレックスに激怒している。君の判断次第で王位継承権を剥奪してやると言ってたんだよ。だからこの際だからアレックスは処罰して、僕と結婚してこの国を発展させていかないかい? だって仮にも僕はレベッカの新郎役を務めているのだから。この際本当に結婚しないかい?」
そしてランス王子は私の右手を取った。
「ちょっと! レベッカ様に勝手に触らないで下さいっ!!」
ミラージュが声を上げる。
「あの……ランス王子」
「うん? 何だい? レベッカ」
「……手を放して頂けますか?」
バチッ!
私の身体から電流が走り、ランス王子の手を感電させた。
「うわっ! 痛いっ!」
ランス王子は手を離し、よほど痛むのか、その場にうずくまってしまった。
「ああ……失礼しました。ランス王子。勝手に触れられて虫唾が走ったものですからつい、力が入ってしまいました」
「え……? む、虫唾……? な、何故だいっ!? レベッカッ! 僕は君に酷い事なんかこれっぽちもしていないよね!? 君の事は可愛いと思っていたし、絶対にあいつみたいに浮気なんかしないよっ!?」
ビシッとアレックス王子を指さしながらランス王子は喚く。一方のアレックス王子は怒りで顔を真っ赤にし、両手で口をこじ開けようとしている。
「酷い事……? ええ、確かにされてはいませんけど。でも、そもそも……あの男の兄と言うだけで、もう全てが気に入らないんですよっ!」
アレックス王子を指さしながら、ランス王子に言い放った――