政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
2-2 いよいよ挙式準備
「レベッカ様、お聞きになりましたか? あのメイド達、私たちの事を『野蛮な国の人』なんて言いましたよ?」
ミラージュは閉められたドアを睨みつけている。
「ええ聞いたわ。噂通りという言葉も気になるし……」
一体彼女たちはどんな噂を耳にしているのだろう?
「まあ、いいわ。ミラージュ。お料理が冷めてしまうから食べてしまいましょう?」
「ええ、そうですね」
そして私たちは席に着くと、まだ熱々で湯気の立つご馳走に舌鼓を打った――
****
「おいしかったですね~お料理」
「ええ、そうね……。最高だったわ……」
私たちは朝食後、することが無くなってしまったので互いにソファに寝っ転がりながら天井を眺めていた。
「……いいのでしょうか?」
突如、ポツリとミラージュが呟いた。
「え? 何が?」
「レベッカ様! 私達、本当にこんな事をしていてもいいんでしょうか!? 本日はレベッカ様の結婚式ですよ! 式の手順も分からなければ、どこであげるかも分からない、それどころか、一体ドレスはどうなってるんですか! 大体肝心の式の時間も知らされていないじゃないですか!」
ミラージュは起き上がると、まくし立てた
「うう……た、確かにそうよね。言われてみると段々不安になってきたわ。私達、本当にこんな事していていいはずないわよね……?」
どうしよう……。段々不安になってきてしまった。
その時。
――コンコンコン
タイミングよく部屋のドアがノックされた。
「あ! もしや式の準備を始めるのではありませんか!?」
ミラージュは嬉しそうにドアへ向かって開けた。するとそこには初めて見る女性が立っている。年齢は40代といったところだろうか? 他のメイド達とは明らかに違うお仕着せ姿だ。彼女はメイド長なのかもしれない。
よし、メイド長と呼ばせて貰おう。
「お待たせ致しました。レベッカ様。これよりお式の準備に入らせて頂きます。まずはお部屋を移動させて頂きます。どうぞこちらへお越しください。お付きの方もご一緒に」
チラリとミラージュを見るとメイド長。
「は、はい」
ソファから立ち上り、メイド長の傍へ行くとドアの外には10人近いメイド達が待機していたことに気が付いた。
「では参りましょう」
メイド長の言葉で歩き出すと待機していたメイド達は一斉に頭を下げてきた。
こうして私とミラージュは1日お世話になった部屋を引っ越す? 事になった……。
美しく磨き上げられた大理石の上に敷かれた青いカーペットの上をどこまでもメイド長の後に続き、歩き続ける私達。ふと、高い天井に取り付けられた天窓を見上げれば美しいバラを描いたステンドグラスが等間隔にはめ込まれ、太陽の光を浴びて美しく光り輝いている。
「見て、ミラージュ。素敵なステンドグラスねぇ……」
私がうっとりすると、ミラージュも窓を見上げた。
「ええ、確かにそうですね。さすがは富と権力に溢れたグランダ王国ですね。あんなところにもお金をつぎ込んで主張しているのですから」
誉め言葉なのか、嫌みを言っているのか良く分からない台詞を口にするミラージュ。私たちの前を歩くメイド長は後者と捉えたらしく、強い視線でチラリとこちらを振り返ったけれども、ミラージュは壁に掛けられている絵画を見ながら歩いていたのでその視線に気づくことは無かった。
ホッ……良かった……。
それから数分歩き続け、やっとメイド長はある部屋の前で足を止めた。目の前の扉には金ぴかに光るドアプレートがぶら下げられていて、『ドレスルーム』と書かれている。
「こちらのドレスルームにレベッカ様の着用されるウェディングドレスと、お付きの方のドレスが用意されております。」
そしていよいよ扉にメイド長の手が掛けられる。
カチャリ……
ついに目の前のドアが開かれた――
ミラージュは閉められたドアを睨みつけている。
「ええ聞いたわ。噂通りという言葉も気になるし……」
一体彼女たちはどんな噂を耳にしているのだろう?
「まあ、いいわ。ミラージュ。お料理が冷めてしまうから食べてしまいましょう?」
「ええ、そうですね」
そして私たちは席に着くと、まだ熱々で湯気の立つご馳走に舌鼓を打った――
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「おいしかったですね~お料理」
「ええ、そうね……。最高だったわ……」
私たちは朝食後、することが無くなってしまったので互いにソファに寝っ転がりながら天井を眺めていた。
「……いいのでしょうか?」
突如、ポツリとミラージュが呟いた。
「え? 何が?」
「レベッカ様! 私達、本当にこんな事をしていてもいいんでしょうか!? 本日はレベッカ様の結婚式ですよ! 式の手順も分からなければ、どこであげるかも分からない、それどころか、一体ドレスはどうなってるんですか! 大体肝心の式の時間も知らされていないじゃないですか!」
ミラージュは起き上がると、まくし立てた
「うう……た、確かにそうよね。言われてみると段々不安になってきたわ。私達、本当にこんな事していていいはずないわよね……?」
どうしよう……。段々不安になってきてしまった。
その時。
――コンコンコン
タイミングよく部屋のドアがノックされた。
「あ! もしや式の準備を始めるのではありませんか!?」
ミラージュは嬉しそうにドアへ向かって開けた。するとそこには初めて見る女性が立っている。年齢は40代といったところだろうか? 他のメイド達とは明らかに違うお仕着せ姿だ。彼女はメイド長なのかもしれない。
よし、メイド長と呼ばせて貰おう。
「お待たせ致しました。レベッカ様。これよりお式の準備に入らせて頂きます。まずはお部屋を移動させて頂きます。どうぞこちらへお越しください。お付きの方もご一緒に」
チラリとミラージュを見るとメイド長。
「は、はい」
ソファから立ち上り、メイド長の傍へ行くとドアの外には10人近いメイド達が待機していたことに気が付いた。
「では参りましょう」
メイド長の言葉で歩き出すと待機していたメイド達は一斉に頭を下げてきた。
こうして私とミラージュは1日お世話になった部屋を引っ越す? 事になった……。
美しく磨き上げられた大理石の上に敷かれた青いカーペットの上をどこまでもメイド長の後に続き、歩き続ける私達。ふと、高い天井に取り付けられた天窓を見上げれば美しいバラを描いたステンドグラスが等間隔にはめ込まれ、太陽の光を浴びて美しく光り輝いている。
「見て、ミラージュ。素敵なステンドグラスねぇ……」
私がうっとりすると、ミラージュも窓を見上げた。
「ええ、確かにそうですね。さすがは富と権力に溢れたグランダ王国ですね。あんなところにもお金をつぎ込んで主張しているのですから」
誉め言葉なのか、嫌みを言っているのか良く分からない台詞を口にするミラージュ。私たちの前を歩くメイド長は後者と捉えたらしく、強い視線でチラリとこちらを振り返ったけれども、ミラージュは壁に掛けられている絵画を見ながら歩いていたのでその視線に気づくことは無かった。
ホッ……良かった……。
それから数分歩き続け、やっとメイド長はある部屋の前で足を止めた。目の前の扉には金ぴかに光るドアプレートがぶら下げられていて、『ドレスルーム』と書かれている。
「こちらのドレスルームにレベッカ様の着用されるウェディングドレスと、お付きの方のドレスが用意されております。」
そしていよいよ扉にメイド長の手が掛けられる。
カチャリ……
ついに目の前のドアが開かれた――