政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
3-4 フルーツパラダイス
ランス王子の言っている事は理解出来るような、出来ないような……。何しろ思い当たることがあると言えばあるし、無いと言えば無いのかもしれない。
すると、ランス王子は私の表情をどう読み取ったのかは知らないが、声のトーンを落とした。
「レベッカ王女、その表情……ひょっとして何か思い当たる事でもあるんじゃないの? もしかしてもう噂が耳に入ってきているのかな?」
「え……う、噂……?」
何だろう……ひょっとしてアレの事だろうか? しかし、ランス王子の次の言葉は私の予想外の話だった。
「ガーナード王国で謀反を起こした罪で一族諸共爵位を剥奪され、人質として王家に捕らえられていたウォールデン侯爵家の姫が、あと半年以内に釈放される」
「……は?」
いきなり何を言い出すのだろう? さっぱり訳が分からず、首を傾げる。
「あの、一体何の話ですか?」
すると……。
「え……ええええっ!? レ、レベッカ王女……まさか今の話は初耳なの?」
青ざめながらランズ王子が尋ねてきた。
「ええ、そうですね。お初もお初。初めて聞く話です。それで、その話が何か教えて頂けますか?」
「い、いや~……何だったかな……」
ランス王子はあさっての方向を見て私と視線を合わそうとしない。
「ランス王子ってば!」
しかし、その時――
ぐうううう~……
「あ……」
「え……?」
私のお腹が派手になってしまった。
「あ、あ、あの……こ、これはですね……」
慌てて顔を真っ赤にしながら何とかごまかそうとした。するとランス王子が笑った。
「ねえレベッカ。ひょっとしてお腹空いているのかい?」
耳元で尋ねられて、渋々頷く。
「は、はい……アレックス王子から私が嘘をついたと責めたてられて、今日1日食事抜きになってしまったんです……」
「ええっ!? そうだったのっ!?」
驚くランス王子。それはそうだろう。この罰則を与えられた本人が一番驚いているのだから。大体他国から嫁いできた一国の姫が罰として丸1日食事抜きにされるなんて、あまり聞かない話だと思う。
「ふ~ん。しかし弟も随分子供じみた嫌がらせをレベッカにするんだねえ……。そうだ、それじゃ僕について来ておいで。いいところへ案内してあげるよ」
「はい……」
そして私は中庭を鼻歌を歌いながら歩くランス王子の後をついて行く事にした。
****
案内された場所は温室だった。
「さあ、好きなだけ食べていいよ」
ランス王子に言われたけれども……。
「あの、本当に好きなだけたべてもいいんですか?」
私の目の前には苺やオレンジ、キウイフルーツ、バナナ等さまざまな果実が温室いっぱいに鈴なりになっている。
「他の人達にばれたりしませんか……?」
「大丈夫だよ、だってここは僕の温室なんだから」
「ええ? 本当ですか!?」
「そうだよ、だから遠慮なく食べていいからね」
「分かりましたっ!」
私は腕まくりをすると、とりあえず一番手頃なバナナから食べ始め……その後約30分ほど、果実を食べ続けた――
****
「ふぅ~……満足しました……。本当にありがとうございました」
すっかりお腹が膨れた私はランス王子に向き直った。
「いやいや……見事な食べっぷりだったね。見ていて気分が良かったよ。いつでも好きな時に食べに来ていいからね?」
「本当ですか? それではお礼により一層この温室の果実が育つようにお祈りしますね!」
「アハハハ……その気持ちだけで十分だよ」
ランス王子は笑っていたけど、私は約束は必ず守る女。何故なら私の本来の力はこういう事の為にあるのだから。
「大丈夫ですって。私のお祈りは良く効くんですよ?」
そして私はにっこり笑った─―
すると、ランス王子は私の表情をどう読み取ったのかは知らないが、声のトーンを落とした。
「レベッカ王女、その表情……ひょっとして何か思い当たる事でもあるんじゃないの? もしかしてもう噂が耳に入ってきているのかな?」
「え……う、噂……?」
何だろう……ひょっとしてアレの事だろうか? しかし、ランス王子の次の言葉は私の予想外の話だった。
「ガーナード王国で謀反を起こした罪で一族諸共爵位を剥奪され、人質として王家に捕らえられていたウォールデン侯爵家の姫が、あと半年以内に釈放される」
「……は?」
いきなり何を言い出すのだろう? さっぱり訳が分からず、首を傾げる。
「あの、一体何の話ですか?」
すると……。
「え……ええええっ!? レ、レベッカ王女……まさか今の話は初耳なの?」
青ざめながらランズ王子が尋ねてきた。
「ええ、そうですね。お初もお初。初めて聞く話です。それで、その話が何か教えて頂けますか?」
「い、いや~……何だったかな……」
ランス王子はあさっての方向を見て私と視線を合わそうとしない。
「ランス王子ってば!」
しかし、その時――
ぐうううう~……
「あ……」
「え……?」
私のお腹が派手になってしまった。
「あ、あ、あの……こ、これはですね……」
慌てて顔を真っ赤にしながら何とかごまかそうとした。するとランス王子が笑った。
「ねえレベッカ。ひょっとしてお腹空いているのかい?」
耳元で尋ねられて、渋々頷く。
「は、はい……アレックス王子から私が嘘をついたと責めたてられて、今日1日食事抜きになってしまったんです……」
「ええっ!? そうだったのっ!?」
驚くランス王子。それはそうだろう。この罰則を与えられた本人が一番驚いているのだから。大体他国から嫁いできた一国の姫が罰として丸1日食事抜きにされるなんて、あまり聞かない話だと思う。
「ふ~ん。しかし弟も随分子供じみた嫌がらせをレベッカにするんだねえ……。そうだ、それじゃ僕について来ておいで。いいところへ案内してあげるよ」
「はい……」
そして私は中庭を鼻歌を歌いながら歩くランス王子の後をついて行く事にした。
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案内された場所は温室だった。
「さあ、好きなだけ食べていいよ」
ランス王子に言われたけれども……。
「あの、本当に好きなだけたべてもいいんですか?」
私の目の前には苺やオレンジ、キウイフルーツ、バナナ等さまざまな果実が温室いっぱいに鈴なりになっている。
「他の人達にばれたりしませんか……?」
「大丈夫だよ、だってここは僕の温室なんだから」
「ええ? 本当ですか!?」
「そうだよ、だから遠慮なく食べていいからね」
「分かりましたっ!」
私は腕まくりをすると、とりあえず一番手頃なバナナから食べ始め……その後約30分ほど、果実を食べ続けた――
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「ふぅ~……満足しました……。本当にありがとうございました」
すっかりお腹が膨れた私はランス王子に向き直った。
「いやいや……見事な食べっぷりだったね。見ていて気分が良かったよ。いつでも好きな時に食べに来ていいからね?」
「本当ですか? それではお礼により一層この温室の果実が育つようにお祈りしますね!」
「アハハハ……その気持ちだけで十分だよ」
ランス王子は笑っていたけど、私は約束は必ず守る女。何故なら私の本来の力はこういう事の為にあるのだから。
「大丈夫ですって。私のお祈りは良く効くんですよ?」
そして私はにっこり笑った─―