政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
4-9 誰ですか?
「うわ~凄い人だわ」
特設ステージが設けられた園庭で豪華な食事が並べられたテーブルの前で大きな皿に次から次へとトングで料理を取りながら、呟いた。あ、あのお肉すごくおいしそう! 早速トングで取り分ける。
「これぐらい乗せればいいかな……?」
乗り切らない程の料理をお皿に盛りつけた私は料理のテーブルの真ん前を陣取って早速フォークでウィンナーを口に入れた時……。
「まあ。可愛らしいお嬢ちゃんね? ご両親といらしたのかしら?」
真横から突然声を掛けられ、慌てて振り向くと、すぐそこに全体がアイボリー系のカラードレスを着用した40代程の美しい女性が立っていた。胸元に輝くダイヤのネックレスが何とも印象的である。
「え? お嬢ちゃん?」
私の事だろうか……? 確かに私は身長が155㎝しかないけれども、一応17歳でアレックス王子の妻である。でも、きっとこんなドレスもどきを着ているから子供に見られたのかもしれない。それに私の周りには誰もいない。やっぱり私に話しかけたのだろうな。
「はい、そうです。身内の人と一緒に来ました」
別に嘘は言っていない。ただ、一刻も早く話を終わらせて食事をしたかっただけである。
「そう? それじゃ楽しんでいってね?」
貴婦人は笑みを浮かべると去って行く。なるほど……ああいう振る舞いがきっと貴族女性として望ましい態度なんだろうな……等と考えていると、突然前方に建てられた特設ステージ上にサミュエル王子が金属性の拡声器を持って現れた。
「それでは御集りの皆さま! 本日は我が国の独立記念日の式典にお集まりいただき、誠にありがとうございますっ! それでは今回我が国に招いた貴賓者の方々の御紹介をさせていただきたいと思います。どうぞ呼ばれた方は壇上へお越しください!」
それを聞いた私は焦った。
「え? 紹介があるの? まあ……でも私は熱があって具合が悪い事知られているだろうから名前呼ばれても平気だよね?」
そこで再び食事の続きを始めた。その間にも次々と貴賓者の名前が呼ばれて壇上へと上がって挨拶をしていく。……それにしても呼ばれているのは殆ど夫婦ばかりだ。アレックス王子は1人で大丈夫だろうか?
そんな事を考えている矢先――
「では次は……グランダ王国のキング夫妻ですっ!」
サミュエル王子の言葉に顔を上にあげ……思わず目を見張った。
何と、壇上へ向かって歩いて行くアレックス王子と仲睦まじく腕を組んで歩く、美しいドレスに身を包んだ女性の後姿が目に飛び込んできたのだ。
「え……?」
思わず、お肉の刺さったフォークを地面に落としてしまう。
ゆっくりと壇上に登って行くアレックス王子と女性を穴の空くほど見つめる私。
そして……アレックス王子と女性は壇上に登るとこちらを振り向いた。
「誰? あの女性……?」
私は思わず間の抜けた声を出してしまった。
壇上にはアレックス王子と、きらびやかなドレスを着用した見知らぬ女性が美しい笑みを浮かべながら立っていた――
特設ステージが設けられた園庭で豪華な食事が並べられたテーブルの前で大きな皿に次から次へとトングで料理を取りながら、呟いた。あ、あのお肉すごくおいしそう! 早速トングで取り分ける。
「これぐらい乗せればいいかな……?」
乗り切らない程の料理をお皿に盛りつけた私は料理のテーブルの真ん前を陣取って早速フォークでウィンナーを口に入れた時……。
「まあ。可愛らしいお嬢ちゃんね? ご両親といらしたのかしら?」
真横から突然声を掛けられ、慌てて振り向くと、すぐそこに全体がアイボリー系のカラードレスを着用した40代程の美しい女性が立っていた。胸元に輝くダイヤのネックレスが何とも印象的である。
「え? お嬢ちゃん?」
私の事だろうか……? 確かに私は身長が155㎝しかないけれども、一応17歳でアレックス王子の妻である。でも、きっとこんなドレスもどきを着ているから子供に見られたのかもしれない。それに私の周りには誰もいない。やっぱり私に話しかけたのだろうな。
「はい、そうです。身内の人と一緒に来ました」
別に嘘は言っていない。ただ、一刻も早く話を終わらせて食事をしたかっただけである。
「そう? それじゃ楽しんでいってね?」
貴婦人は笑みを浮かべると去って行く。なるほど……ああいう振る舞いがきっと貴族女性として望ましい態度なんだろうな……等と考えていると、突然前方に建てられた特設ステージ上にサミュエル王子が金属性の拡声器を持って現れた。
「それでは御集りの皆さま! 本日は我が国の独立記念日の式典にお集まりいただき、誠にありがとうございますっ! それでは今回我が国に招いた貴賓者の方々の御紹介をさせていただきたいと思います。どうぞ呼ばれた方は壇上へお越しください!」
それを聞いた私は焦った。
「え? 紹介があるの? まあ……でも私は熱があって具合が悪い事知られているだろうから名前呼ばれても平気だよね?」
そこで再び食事の続きを始めた。その間にも次々と貴賓者の名前が呼ばれて壇上へと上がって挨拶をしていく。……それにしても呼ばれているのは殆ど夫婦ばかりだ。アレックス王子は1人で大丈夫だろうか?
そんな事を考えている矢先――
「では次は……グランダ王国のキング夫妻ですっ!」
サミュエル王子の言葉に顔を上にあげ……思わず目を見張った。
何と、壇上へ向かって歩いて行くアレックス王子と仲睦まじく腕を組んで歩く、美しいドレスに身を包んだ女性の後姿が目に飛び込んできたのだ。
「え……?」
思わず、お肉の刺さったフォークを地面に落としてしまう。
ゆっくりと壇上に登って行くアレックス王子と女性を穴の空くほど見つめる私。
そして……アレックス王子と女性は壇上に登るとこちらを振り向いた。
「誰? あの女性……?」
私は思わず間の抜けた声を出してしまった。
壇上にはアレックス王子と、きらびやかなドレスを着用した見知らぬ女性が美しい笑みを浮かべながら立っていた――