政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
5-12 地上の神?
「おおっ! すっげーな! こんなに鉱石が沢山取れたとはっ!」
アマゾナに引っぱたかれていたビンタ? さんはテーブルの上にゴロゴロと無造作に載せられた光り輝く鉱石を手に取ると目を見張った。
「だろう~? 本当にこの嬢ちゃんはすごいんだよっ! 何せ、さっきはこの村で耕している畑に連れて行ったんだよ。すると驚いたことに突然畑から芽が生えだしてきたんだからねっ! いや~……まるで魔法みたいだった……」
アマゾナはまるで自分の事のように自慢げに話す。それを頷きながら話を聞く10人の手下達。
「いえいえ…・・魔法なんかじゃありませんから。偶然ですよ、偶然」
本当は大地の神に祈りを捧げたんだけどね……。
するとアマゾナが頷いた。
「そう、あれはやっぱり魔法なんかじゃないっ!」
「え?」
アマゾナは私をじっと見つめた。
「そう……お嬢ちゃんには……何か、こう人とは違うオーラのようなものを感じる。それに高貴なものもね」
「え……?」
ま、まさか……アマゾナに私の正体がばれたのでは……? ヒヤヒヤしながら次の言葉を待つ。
「神様だったりしてな~お嬢ちゃんは……。って、そんなはずないか。こんな可愛らしい神様がいるはずないしな?」
言いながらアマゾナは私の頭をクシャクシャに撫でまわした。
「アハハハ……そうですよ。神様は地上にはいませんからね~」
まあ、それはそうだよな~等他の手下たちも言い、私は笑いながら窓の外を眺め、すっかり日が落ちている事に気が付いた。壁に掛けてある時計を見ると、時刻はもう17時になろうとしている。
「うわあ……もうこんな時間なんですね。つい、皆さんとのお話が楽しくて時間を忘れていましたよ」
忘れている……うん? そう言えば、何か大事な事を忘れている気がする……。
するとアマゾナが突然思い出したように声を掛けてきた。
「あ、そう言えばお嬢ちゃん。あんたの馬鹿亭主はどうしたんだい?」
「え? 馬鹿亭主……? あああ~っ!!」
ガタンッ!!
椅子から立ち上った時に、勢いで座っていた木の椅子が後ろに倒れてしまった。
「どうしたんだいっ!?お嬢ちゃんっ!」
アマゾナが驚いて声をかけてきた。
「た、大変です……」
「何だ?」
ビンタさんが口を挟んできた。
「わ、わたし……アレックス様のこと、忘れてました……」
「な、何だってっ!? ハ……ハハハハハッ!」
突如アマゾナがお腹を抱えて笑い出した。
「アハハハハッ! ヒィ~ッ! わ、笑える……! お、お嬢ちゃん……あ、あんた……無自覚で色々やってくれるじゃないかっ! これなら心配することは無いか……。ハハハ……ッ! き、きっとお嬢ちゃんならあの馬鹿亭主と一緒にいても……やられたことはきっちりやり返しそうだからね!? あ~おかしい……」
アマゾナは笑いを押さえきれない。うん……確かにそうかもしれない。思わず納得しかけ……ハッとなった。
「と、とにかくアレックス様を連れ帰って来なくては……あ、あの何人か先程の場所までついてきて頂けませんか!?」
「よし、それじゃ私も行くよ」
アマゾナも椅子から立ち上ると、何人かの手下たちを指名した。
「えっと……それじゃ、お前とお前……あ、お前も来な」
そして私たち一行はまだ恐らく牧草地帯で放置されているであろうアレックス王子の元へ向かった。
****
「キャアアアッ!」
アレックス王子の元へたどり着いた私達。そして私は未だに眠りに就いている彼を見て思わず悲鳴を上げてしまったのだ。
何故悲鳴を上げてしまったかというと、アレックス王子は両手を胸のところで組み、青ざめた顔でまるで死者のような姿に見えてしまったからだ。恐る恐るアレックス王子の手に触れるとびっくりするほど冷え切っている。
「キャアアア! し、死んでるっ!」
まさか、ここに放置していたせいで……死んでしまったっ!?
するとアマゾナがアレックス王子の胸に耳を当てる。
「あ~…大丈夫大丈夫。心臓は動いているよ。寒さで体が冷えているだけさ。それにしてもこの男……何時間眠っているつもりなんだい?」
アマゾナが腕組みした。
「あ……そのことなんですけど……」
私は手を挙げると言った。
「このまま宿のベッドまで運びませんか? 実は私、アレックス様に催眠暗示をかけているんですよ。なので今までの出来事は夢だと思わせたいんですよね……」
「へ~……あんたは催眠暗示迄かけられるのかい?」
アマゾナの言葉にうなずく。
「ええ。夢だと思わせたほうが面倒なことになりませんよね。ついでに護衛の兵士もまとめて催眠暗示に掛けますから」
そして全員、私の意見に賛成し……皆で協力してアレックス王子を元の部屋へと運んだ――
アマゾナに引っぱたかれていたビンタ? さんはテーブルの上にゴロゴロと無造作に載せられた光り輝く鉱石を手に取ると目を見張った。
「だろう~? 本当にこの嬢ちゃんはすごいんだよっ! 何せ、さっきはこの村で耕している畑に連れて行ったんだよ。すると驚いたことに突然畑から芽が生えだしてきたんだからねっ! いや~……まるで魔法みたいだった……」
アマゾナはまるで自分の事のように自慢げに話す。それを頷きながら話を聞く10人の手下達。
「いえいえ…・・魔法なんかじゃありませんから。偶然ですよ、偶然」
本当は大地の神に祈りを捧げたんだけどね……。
するとアマゾナが頷いた。
「そう、あれはやっぱり魔法なんかじゃないっ!」
「え?」
アマゾナは私をじっと見つめた。
「そう……お嬢ちゃんには……何か、こう人とは違うオーラのようなものを感じる。それに高貴なものもね」
「え……?」
ま、まさか……アマゾナに私の正体がばれたのでは……? ヒヤヒヤしながら次の言葉を待つ。
「神様だったりしてな~お嬢ちゃんは……。って、そんなはずないか。こんな可愛らしい神様がいるはずないしな?」
言いながらアマゾナは私の頭をクシャクシャに撫でまわした。
「アハハハ……そうですよ。神様は地上にはいませんからね~」
まあ、それはそうだよな~等他の手下たちも言い、私は笑いながら窓の外を眺め、すっかり日が落ちている事に気が付いた。壁に掛けてある時計を見ると、時刻はもう17時になろうとしている。
「うわあ……もうこんな時間なんですね。つい、皆さんとのお話が楽しくて時間を忘れていましたよ」
忘れている……うん? そう言えば、何か大事な事を忘れている気がする……。
するとアマゾナが突然思い出したように声を掛けてきた。
「あ、そう言えばお嬢ちゃん。あんたの馬鹿亭主はどうしたんだい?」
「え? 馬鹿亭主……? あああ~っ!!」
ガタンッ!!
椅子から立ち上った時に、勢いで座っていた木の椅子が後ろに倒れてしまった。
「どうしたんだいっ!?お嬢ちゃんっ!」
アマゾナが驚いて声をかけてきた。
「た、大変です……」
「何だ?」
ビンタさんが口を挟んできた。
「わ、わたし……アレックス様のこと、忘れてました……」
「な、何だってっ!? ハ……ハハハハハッ!」
突如アマゾナがお腹を抱えて笑い出した。
「アハハハハッ! ヒィ~ッ! わ、笑える……! お、お嬢ちゃん……あ、あんた……無自覚で色々やってくれるじゃないかっ! これなら心配することは無いか……。ハハハ……ッ! き、きっとお嬢ちゃんならあの馬鹿亭主と一緒にいても……やられたことはきっちりやり返しそうだからね!? あ~おかしい……」
アマゾナは笑いを押さえきれない。うん……確かにそうかもしれない。思わず納得しかけ……ハッとなった。
「と、とにかくアレックス様を連れ帰って来なくては……あ、あの何人か先程の場所までついてきて頂けませんか!?」
「よし、それじゃ私も行くよ」
アマゾナも椅子から立ち上ると、何人かの手下たちを指名した。
「えっと……それじゃ、お前とお前……あ、お前も来な」
そして私たち一行はまだ恐らく牧草地帯で放置されているであろうアレックス王子の元へ向かった。
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「キャアアアッ!」
アレックス王子の元へたどり着いた私達。そして私は未だに眠りに就いている彼を見て思わず悲鳴を上げてしまったのだ。
何故悲鳴を上げてしまったかというと、アレックス王子は両手を胸のところで組み、青ざめた顔でまるで死者のような姿に見えてしまったからだ。恐る恐るアレックス王子の手に触れるとびっくりするほど冷え切っている。
「キャアアア! し、死んでるっ!」
まさか、ここに放置していたせいで……死んでしまったっ!?
するとアマゾナがアレックス王子の胸に耳を当てる。
「あ~…大丈夫大丈夫。心臓は動いているよ。寒さで体が冷えているだけさ。それにしてもこの男……何時間眠っているつもりなんだい?」
アマゾナが腕組みした。
「あ……そのことなんですけど……」
私は手を挙げると言った。
「このまま宿のベッドまで運びませんか? 実は私、アレックス様に催眠暗示をかけているんですよ。なので今までの出来事は夢だと思わせたいんですよね……」
「へ~……あんたは催眠暗示迄かけられるのかい?」
アマゾナの言葉にうなずく。
「ええ。夢だと思わせたほうが面倒なことになりませんよね。ついでに護衛の兵士もまとめて催眠暗示に掛けますから」
そして全員、私の意見に賛成し……皆で協力してアレックス王子を元の部屋へと運んだ――