線香花火が消えるまで一緒にいさせて、傍にいて。
「ていうか、現物無くてもよくない?エロ本だって電子でいいじゃん。DVDじゃなくてもスマホで観れるじゃん」

「紙媒体を廃らすわけにはいかん。DVDには特典がついてくんの」


その死ぬのほどドヤ顔なのやめてくれない?うざいから。


「ああそう。もういい」

「志穂は俺がこういう男って知ってても好きっ……」

「あーー、はいはい。そうです、そうですよ。だからもういいって言ったよね?」

「そんな怒んなよ。ま、志穂ってそういうツンツンしたところがたまんなく可愛いんだけどね。さてと、今からたっぷり愛でてやるから機嫌直せよ。な?」
 

ニヤッとしながら颯汰が手にしている小さな箱。その箱を振ってカタカタいわせながら私に近付いてくる。


「わざわざソレを買いにコンビニへ行ったわけ?」

「うん、そりゃそうだろ。今まで俺がどんだけ我慢してきたか……体でわからせてやるよ」

「あの、気取ってるところ悪いけど、私いま生理中」


ガタガタッと音を立てながら崩れ落ちる颯汰を見て嘲笑う私。


「で、腹痛くねーの?腰とか。いつも死んでんじゃん」

「なんか今回軽いんだよね」

「そっか。ま、でも冷やすなよ。ほれ、来いよ」


ベッドの上に寝転んで、ベシベシとマットレスを叩いている。

私が寝転ぶと優しく抱き寄せて包み込む颯汰。

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