線香花火が消えるまで一緒にいさせて、傍にいて。
どれだけの月日が流れて、どれだけの年月が過ぎようとも、この気持ちが色褪せることなんてなくて、颯汰との思い出も色褪せることはなくて──。

私とは真逆な、似ても似つかないような可愛らしい女の子がタイプだと、昔から公言している颯汰のことを好きでいることがツラくて、何度も何度もこの気持ちに蓋をしようとした。無かったことにしようとした。

でも、やっぱりそんなことはできなかった。

この気持ちを忘れることなんて私には無理だったの。

ふとした時、思い浮かべるのはいつだって颯汰のことで、この想いが色褪せる……なんてことはない。なのに、なんで……どうして……?


──── こうなったのも結局は、理由や御託を並べて逃げ続けてきた私自身のせい。


心の片隅で『颯汰は私のものだ』って驕りがあったのかもしれない。私のものでも何でもなかったのにね。ただの腐れ縁、ただの幼なじみだっただけなのにね。

ごめん、颯汰。

私、『好きな人が幸せだったらそれでいい』なんて……そんなこと思えないよ。ずっと私の隣で笑っていて欲しかったって、どうしても思っちゃう。


「どーしたら気付いてくれんのかな」

「……さあ、告白すればいいんじゃない?」

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