線香花火が消えるまで一緒にいさせて、傍にいて。

さよならなんてしたくない。

颯汰のこと忘れることなんてできない。

何処にも行かないで、誰のものにもならないでよ──。


「関係が壊れそうで怖いっつーか、振られんのが怖いっつーか」

「……ふーーん。モテ男のあんたでもそんな不安になるってどんだけ可愛い女の子なのよ。拝んでみたいわ」


私はどうしても颯汰じゃないといけないの──。


「あーー、可愛いっつーよりは綺麗系かなぁ。まあ、俺からしたら可愛いくて仕方ねえんだけど」

「……へえ。惚気きもっ」


颯汰が私にこんなことを言ってくるってことは、その子に本気だということ。

となると、私のすることはただ１つ──。強制的に颯汰を諦めなくちゃいけないということを嫌でも悟らなくてはいけない。この現実から逃げることなんて、もうできないのだから──。


「キモいとか言うなよ。地味に傷つくわソレ」

「……はは。ごめんごめん」


私は今、あなたの隣で上手く笑えてる……？


「俺のこと“男”として全く見てないんだろうなぁ、そいつ。意識されてんなーって思ったことねえもん」

「……ふーーん。どんまーーい」


もういい、何も言わなくていい、何も言わないで──。