線香花火が消えるまで一緒にいさせて、傍にいて。
「どーする?今日、泊まってくか?」


いつもなら二つ返事で『うん』と即答しただろうけど……何ていうか、幼なじみから男女の関係になったっていうのが、ちょっと恥ずかしかったり気まずかったりもする。幼なじみのカップルって最初はみんなぎこちない感じなのかな?


「今日泊まってく予定だったろ?どーせ」

「ま、まあ……そうだけど……」

「なら泊まってきゃいいじゃん。もう中入ろうぜ~」

「あーー、うん」


颯汰に言われるがまま、颯汰ん家に泊まることになったのはいいんだけど──。颯汰が余裕そうっていうか、飄々としすぎじゃない?なんかムカつくんだけど。


「あ、ちょい先に部屋行ってて」


お風呂に入って、髪を乾かし、歯を磨いて脱衣所から出ると、財布を持って何処かへ行こうとしている颯汰に声をかけられた。


「はいはい。てか、どこ行くの?」

「あーー、うん。コンビニ」

「なら私もっ……」

「もう時間遅ぇし、志穂は待ってろ」

「は、はあ……」


なんか若干の怪しさっていうか、挙動不審さが否めない颯汰を見送り、颯汰の部屋へ向かった──。


「……はあぁぁーーーー」


私の大きなため息の原因は、可愛い子ちゃんがエッチな姿でアレコレしてる本や、可愛い子ちゃんがアレコレしてるエッチなDVDやらが、普段どーーり置いてあること。
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