線香花火が消えるまで一緒にいさせて、傍にいて。
これ、全部捨ててやろうかな。

私に対する嫌がらせだとは思いませんか?


「ただいまーーって、何だよコレ。なんの嫌がらせだ」

「おかえり。それはこっちのセリフですけど~」


私は可愛い子ちゃん達のDVDやら本やらを全っっ部ダンボールに詰め込んだ。


「おいおい、勘弁してくれよ。志穂、お前まさかこういうの『浮気者!!』とか思うタイプ……?いやいや、コレとソレとは別でしょうが。な?落ち着けよ」

「イケメンがエッチな姿でアレコレしてる本とか、イケメンがアレコレしてるエッチなDVDを私が持ってたらどうする?許してくれるのかしら、あなたは」


ジトーーッとした目で睨み付けると、あからさまに動揺し始めた颯汰。


「お、お、おう……ま、まあ……志穂がそういうのが“趣味”って言うなら?ま、まあ……“趣味”だし?いいとは思うけど」

「へえー。だったら今すぐアマジョンでポチろうかな」


ポケットからスマホを取り出した瞬間、ドタバタしながら私のスマホを奪った颯汰。


「おいおいおい、やめとけやめとけ。そんなもんやめとけって。イケメンなら目の前にいんだろ。な?」

「あんたの目の前に超絶可愛い子がいんだろ。な?捨てるか隠せよ、ソレ」


一切瞬きをすることなく、ジーーッと颯汰の瞳を見続けた。すると、渋々クローゼットの奥へダンボールを押し込んだ変態(颯汰)。

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